しかし今は精神的に私たち霊よりも、あなた方人間の方が身近な存在です。
分かりますか?
彼にとっては霊的なことよりも、地上の方が気がかりなのです。
彼が、霊的なことについて何も知らずに霊界に来たからです。
一度も意識にのぼったことがないのです。
でも今では、あなたが交霊会に参加するという形で会いに来てくれるので、あなたが想像する以上に彼の助けになっています。
大半の人が死を最期と考え、霊界に来ても、記憶の幻影の中でのみ暮らし、実在を知りません。
その点あなたのフィアンセは、こうして最愛のあなたに近づくチャンスを与えられ、あなたもまわりに悲しみの壁を作らずに済んでいます。
そのことを彼はとても感謝しています。」
一 死ぬ時は苦しんだのでしょうか?
「いえ、何も感じていません。
不意の出来事だったからです。
飛行機事故のことは聞いているのでしょう?」
一 はい。
「あっという間の出来事でした。
それだけに長い休養期間が必要なのです。」
一 どれくらい掛かるのでしょうか?
「そういう質問は答えるのがとても難しいのです。
霊界では地上のように、時間で計るということをしないからです。
でもどのみち普通一般の死に方をした人よりは長く掛かります。
急激な死に方をした人はみなショックを伴います。
いつまでも続くわけではありませんが、ショックはショックです。
もともと魂は、肉体からそういう離れ方をすべきではないからです。
そこで調整が必要になります。」