「宇宙はすみからすみまで法則で支配されていて、偶然とか奇跡とかは絶対に起こりません。
祈りが利己心から発したものであれば、それはそのままその人の霊格を示すもので、そんな人の祈りで病気が治るものではありません。
ですが、自分を忘れ、ひたすら救ってあげたいという真情から出たものであれば、それはその人の霊格が高いことを意味し、それほどの祈りは、高級神霊界にも届きますし、自動的に治療効果を生む条件を作り出す力も備わっています。
要するに、祈る人の霊格で決まることです。」
一 祈りは、その人そのものということでしょうか?
「そういうことです。」
一 大主教による仰々しい祈りよりも、素朴な人間の素朴な祈りの方が効果があるということでしょうか?
「地位には関係ありません。
肝心なのは祈る人の霊格です。
大主教が霊格の高い人であれば、その祈りには霊力が備わっていますが、どんなに立派な僧衣をまとっていても、スジの通らない教義に凝り固まった人間でしたら、何の効果もないでしょう。
もう一ついけないのは、集団で行う紋切り型の祈りです。
案外、効果は少ないものです。
要するに神は、肩書きや数では誤魔化されないということです。
祈りの効果を決定づけるのは、祈る人の霊格です。」