一 絶対に生き長らえる望みなしと判断した時、少しでも早く死に至らしめることは、許されることでしょうか?
許されないことでしょうか?
「私はあくまで “人間は死ぬべき時が来て死ぬべきもの” と考えています。」
一 肉体の持久力を弱めれば、死期を早めることになります。
痛みと苦しみが見るに見かね、治る可能性もない時、死期を早めてあげることは正しいでしょうか?
「あなた方の辛い立場はよく分かります。
また私としても、好んで冷たい態度をとるわけではありませんが、法則はあくまでも法則です。
肉体の死は、あくまで魂にその準備が出来た時に来るべきです。
それはちょうど柿が熟した時に落ちるのと同じです。
熟さないうちにもぎ取ってはいけません。
私はあくまでも自然法則の範囲内で講じるべき手段を指摘しています。
たとえば、薬や毒物ですっかり身体をこわし、全身が病的状態になっていることがありますが、身体はもともとそんな状態になるようには意図されていません。
そんな状態になってはいけないのです。
身体の健康の法則が無視されているわけです。
そういう観点から考えていけば、どうすれば良いかは自然と決まってくると思います。
何事も自然法則の範囲内で処置すべきです。
本人も医者も、あるいは他の誰によっても、その法則に手出しすべきではありません。
もちろん、良いにせよ悪いにせよ、何らかの手を打てば、それなりの結果が生じます。
ですが、それが本当に良いことか悪いことかは、霊的法則にどの程度までかなっているかで決まることです。
つまり、肉体にとって良いか悪いかではなくて、魂にとって良いか悪いかという観点に立って判断すべきです。
魂にとって最善であれば、肉体にとっても最善であるに違いありません。」