その後は、2人でとりとめもない話をして時間を過ごしていた。外が暗くなってきたので、俺たちは店を出て駅に向かうことにした。
「18時半か、着いたら19時だな。」
「2人でミスドなんて、随分久しぶりで、すごく楽しかった。でも、ちょっと遅くなっちゃったみたいだね。」
絵玲奈が乗る電車がそろそろ来ると思い、俺は駐輪場に戻ることにした。
「じゃあな、絵玲奈。」
そう俺が言った刹那、絵玲奈は奇妙な感覚に襲われた。このまま、俺と会えなくなってしまうかのような、そんな凍てつくような、絶望的な感覚であった。
『ダメ…。行かないで、亮介君…!!』
思わず、絵玲奈は俺のコートの端を掴んで、全力で引き止めた。その瞳は、まるで何かに怯えた少女のように、大きく見開いていた。
「どうした、絵玲奈?」
その言葉で我にかえり、絵玲奈は慌ててその手を離した。
「あ、ううん、ゴメン、何でもない。何か、急に、私の目の前から亮介君がいなくなってしまうような気がして…。そんなこと、あるわけないのにね。」
はっきりとは気づかれてはいないが、絵玲奈は俺の異変を感じているようであった。見送った絵玲奈は、どこか不安な表情を浮かべているようにも見えた。
『最後は、自分で決めなくちゃいけないんだ。真人でも、絵玲奈でもなく、自分が。』
部屋でそのことについて、どうすればいいのか考えては思考が堂々巡りしていた。そんな悶々とした日々が続き、あっという間に期限の日が迫ってきていた。
いつものように、部屋を暗くして考え込んでいると、次第に考えるのが面倒になってくる時もあった。
『いいじゃん、もう、そんな、あの時にこだわらなくたって。こっちで楽しくやっていければそれで。真希とも、こっちで出会えればいいんだし。』
だが、次の瞬間、また別の考えも浮かんでくるのであった。
『そんなに上手くいくのか?仮に真希と出会えたとしても、そんな半端な気持ちで、ちゃんと真希と向き合っていけるのか?そもそも、元の世界の子どもたちはどうなる?向こうの世界で、何一つしてやれないままじゃないか。』
一体、俺はどういう未来を選ぶべきか。どう今までの自分と過去に、そして、関わってきた人達に向き合うべきか。今までにないほど、俺は自分の将来というものについて向き合い、考えていた。
そして、期限が翌日になった夜、悩み、考え抜いた末、俺は結論を出した。
「18時半か、着いたら19時だな。」
「2人でミスドなんて、随分久しぶりで、すごく楽しかった。でも、ちょっと遅くなっちゃったみたいだね。」
絵玲奈が乗る電車がそろそろ来ると思い、俺は駐輪場に戻ることにした。
「じゃあな、絵玲奈。」
そう俺が言った刹那、絵玲奈は奇妙な感覚に襲われた。このまま、俺と会えなくなってしまうかのような、そんな凍てつくような、絶望的な感覚であった。
『ダメ…。行かないで、亮介君…!!』
思わず、絵玲奈は俺のコートの端を掴んで、全力で引き止めた。その瞳は、まるで何かに怯えた少女のように、大きく見開いていた。
「どうした、絵玲奈?」
その言葉で我にかえり、絵玲奈は慌ててその手を離した。
「あ、ううん、ゴメン、何でもない。何か、急に、私の目の前から亮介君がいなくなってしまうような気がして…。そんなこと、あるわけないのにね。」
はっきりとは気づかれてはいないが、絵玲奈は俺の異変を感じているようであった。見送った絵玲奈は、どこか不安な表情を浮かべているようにも見えた。
『最後は、自分で決めなくちゃいけないんだ。真人でも、絵玲奈でもなく、自分が。』
部屋でそのことについて、どうすればいいのか考えては思考が堂々巡りしていた。そんな悶々とした日々が続き、あっという間に期限の日が迫ってきていた。
いつものように、部屋を暗くして考え込んでいると、次第に考えるのが面倒になってくる時もあった。
『いいじゃん、もう、そんな、あの時にこだわらなくたって。こっちで楽しくやっていければそれで。真希とも、こっちで出会えればいいんだし。』
だが、次の瞬間、また別の考えも浮かんでくるのであった。
『そんなに上手くいくのか?仮に真希と出会えたとしても、そんな半端な気持ちで、ちゃんと真希と向き合っていけるのか?そもそも、元の世界の子どもたちはどうなる?向こうの世界で、何一つしてやれないままじゃないか。』
一体、俺はどういう未来を選ぶべきか。どう今までの自分と過去に、そして、関わってきた人達に向き合うべきか。今までにないほど、俺は自分の将来というものについて向き合い、考えていた。
そして、期限が翌日になった夜、悩み、考え抜いた末、俺は結論を出した。