■フジタコウダイ神様降臨 | 末期肝細胞癌と戦う53歳オヤジ

末期肝細胞癌と戦う53歳オヤジ

肝細胞癌末期の突然宣告でパニクッていて風呂二回入っていいですか???
末期の告知にパニックに成りながら、どたばたやっている闘病記録です。「風呂二回」は気が動転して、気が小さくなって、言いたかった。内容は今後書いて行きます。

 

■フジタコウダイ神様降臨

 

 人生初の不思議な出会い。

 二度目の入院の時です。10月13日と記憶していますが、14日であったかも知れません。間違えていたらすみません。しんどい時期の一つではありました。

 

少し前から今まで煙草は止めていたのですが「お好きなようにしてください」という主治医の配慮有るご判断と、以前も別の病院で受けた『どれも数日で死ぬ病気三種類のうちのどれか』という診断で、「どの道、直ぐ死ぬヤツやん!」と、やけになって吸った煙草が、三種類全ての病気が誤診で、その後、煙草だけが二年も続いたという例もあり。

「今回こそ、心の安らぎに少しはやって見るか」と、黙って病院を抜け出して、という中学生程度のアウトローをやっていました。

 

あの日も外へ出て煙草を吸っていると、何か話しかけて来る人がいました。私は喧嘩を売ってくる人間は直ぐに分かります。どうもそれでは無い。

それにしては大男で茶髪。

 「病人が煙草を吸うな。いや、煙草をこんな病院に迷惑のかかる所で吸ってはいけない」みたいな話かな。

 

実際彼は「頑張れよ!」と言ったのです。私は不思議で周囲をキョロキョロ見ながら、やはり「私に言っている。おまけに今、煙草吸ってるんだけど」と、杖を突きながら少し近づき「なんで頑張れ、ですか」と聞くと

「アホかお前!お前を見てりゃあ誰でも応援したくなるやろうが!」と大声で。

 

(えっ初対面なのにアホかって?お前って?誰でも応援ってそんなに弱っちく見えてるのコワモテって言われてるのに?)

「いやいやありがとう、それにしても知らない病気の杖を突いたヨレヨレの人間に対して頑張れとは奇特なお方やね。兄さん」。

よく見たら手に宝缶酎ハイが。(泥酔しているようにも見えず、敵意も見せず。本当のところは何が言いたいんだろう?この男は?)

 

「アホかお前。お前の眼は死んでないんや。お前はどんな病気でも乗りこえれるやろうが。まあ、座れ。座れるか。ここに並ぼう」杖を突きながら座る私を意外と気遣いながらも「これを吸え」と大声で。

 

出されたのはピースでした。二人で座ると、初めて気がついたのは奥様なのか隣で黙って立って見ている人が居る。

懐かしい香りのするきつい煙草を吸いながら話した。

煙草が昔を懐かしく思い出せるのか。その人の熱弁すらも、自分で聞いているのか、聞いていないのか「馬鹿なガキだったな」「いい車に乗りたかったな」「夏の海は大好きだった」と、とりとめのない思い出が頭に浮かび。

止まっていた心が動き始めた時間となりました。私にはやりたいことはまだあるんだけどな。

 

「ほんで兄ちゃん、その毛何やねん」(私は意外と自分なりの意味があって髪の毛を切らないようにしているのだが)

「オッサンの突っ張りや」と答えると。

「ふーん。変やな」(あんたに言われたくはない)

 

「ワシは膵臓で余命二年や。今、精神病院を脱走してきた。兄ちゃんはどうなんや」本当ともつかず、嘘とも思えず。

 

こちらは「ワシは肝臓癌やな。末期らしい、生きても、もう余命がなんぼも無いみたいや」そう言うと。

 

それにしても凄い剣幕で。「アホか!何が末期や!お前の眼は末期やないんや!お前が末期を認めたらあかんのや!お前の眼は死んでない。ええか!お前の眼は死んでないんやぞ。負けるな。誰がお前を見て応援したくないねん。ワシは信じてるぞ。医者も家族も関係ない。今は自分が復活することだけにかけろや」。

「まあ、ワシが末期や無い言うたら末期や無いんや」とまで言い出したので、笑いそうにはなったが、いちいち核心を突いてくる。

うなづきながら聞く。そうか、人を利用してしまえば良いんだな。普段もそうしている自分だが、今は意図的に応援してくれるみんなを利用してもいいんだな。そう考える元となりしました。

やってくれる人にはそれだけの力がある。「頼れ」と言ってくれている人にはそれだけの力がある。

「やってくれないか」ってこちらが聞いたって、こっちはそれだけの事は出来ないんだから恥じゃない。

相手の方が自分より立場が上なんだから、こっちの命がどうだって言う危機の時には特に、力の無い人間として遠慮せずにすがればいい。そんな考えが生まれました。(それで私が迷惑をかけた人が山盛り増えたのですがwww)

 

名乗り合った。病院の近くに住む57歳(私より4歳上)だと言う。「オレ、コウダイ!フジタコウダイ」(名前を間違っていたら本当に申し訳ないのですが)

 

「いやあ、兄さんありがと。そんなの吸うたの30年ぶりぐらいちゃうか。うまかったで。ごちそうさん」そう私が言うと。

「もう一本吸え。ええから吸え。そんで兄ちゃんは金は持ってるのか」このおっさん酎ハイでも買ってほしいのかよと思いながら「金ならあるよ」財布を出そうとしたら「それならええねん」と、そこも心配してくれたんやなwww

流石に缶酎ハイを飲めとは言わなかったが。

 

「また会おうや」そう言われたので、「はあ、ありがとさん」とは答え別れたたものの、不思議さが優って少しの間は何も考えられず。

人生53年。スポーツ中や仕事中でも無く、まさか病院着てフラフラ歩くこの状況で、知らない人から励ましの言葉を暖かく受けるとは思いもよらず。

それも「アホか、アホか」と力強い言葉で。

死んでいるか、死んでいないかを、何の根拠も無く眼だけで判断する人

 

しかし翌朝にはもう力をもらったお礼を言いたくなり。

それから毎朝、入院していない時期は通院時に、そして三度目入院の今でも病院近くで探すがまだ会えてはいない。

 

「あの日は精神病院の外出で大学病院に通院に来たので、元の病院に帰ったか、もしかしたら、神の権化で、酒を片手に路上に私に指針を知らせに来て、天に戻ったのかも知れない」彼の事を今はそう感じています。

 

良く考えたら、10月13日も14日も通常外来診察の日では無いよな。と思い。

結局マジの精神病院脱走の可能性も残ったwww

私の記憶もいかがなものか?とwww

 

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