有馬記念で馬券購入。そして消費者金融へ
1995年秋の天皇賞当日、友人のクリタとともに東京競馬場へ出掛け惨敗したわたしは、その後しばらく競馬とは縁のない生活を続けていました。
「ビギナーズラックで儲かる→2回目で負けて正気に戻る」という、ギャンブルにハマらないための健全なステップを踏んだからです。むしろ、負けて良かったというか。このままで終わればそれで話は済んだのですが……。
就職氷河期の影響もあって正社員になれなかったわたしがアルバイトとして働いていた会社は東京都飯田橋にありました。東京ドームのすぐ近くです。ということは、場外馬券販売所である後楽園WINS(黄色いビル)のすぐ近くでもあります。
正式名称は「東京ドームシティ黄色いビル」。本当です
会社の人達にはギャンブル好きがたくさんいました。競馬、競輪、ボート、麻雀……。総務部のフナキさんっていう女性なんて、好きな競輪選手を追っかけて全国の競輪場を巡ってました。すごいです。
そんな中にいると、一緒にギャンブルしないと仲良くなれない……というか、ギャンブルの話題についていけるようにした方が人間関係が円滑になって仕事が捗ったりもするんですよね。
で、1996年の有馬記念をみんなで買おうという話題になりました。みんなでお金を出し合って、1番人気のサクラローレルとJC2着のファビュラスラフィンの馬番連複一点買い! サクラローレルは勝ちましたが、ファビュラスは10着に惨敗。みんなで、
「ダメだったなー」
なんて言って笑ってました。平和でした。この時までは。
それ以来、己の中に潜む「ギャンブル魂(略して“ギャン魂”)」になんだか火が点いてしまったわたしは、次のGⅠ競走であるフェブラリーステークスを、アイオーユーという馬から流してまたハズレ。ただ、この次がいけなかった。
牡馬のクラシック競走第1弾、皐月賞をサニーブライアンという逃げ馬からの総流しで購入し、大的中
一点300円の購入だったのですが、払い戻しは15万円を超えました
それですっかりハマりましたね。自分には他人はない力があるとでも勘違いしたのか(ガンダムに出てくるニュータイプじゃないんだから)、週末はずっと競馬場かWINSへ通うようになりました。
貯金はみるみるうちに減りました。銀行預金はすぐに底をつき、ゆうちょの口座に貯めていた100万円もあっという間に(いやー、早かった!)使ってしまいました。
お金がない。でも、競馬はやりたい。で、人はどうするか?
わたしは消費者金融でお金を借りることにしました。
わたしが行った初めての消費者金融は、小田急線相武台前駅からほど近い「アコム」の無人店舗でした。
現在のアコムの広告。金利は年18%ですか……。わたしが借りた当時は29.2%でした
次回、「ギャンブルをしなければならなかった理由」に続きます。