多発肝転移の無病状態を目指した治療 | the east sky

the east sky

いつの日か、すべての進行乳がん(切除不能乳がん・転移乳がん・再発乳がん)が根治する日を願っています。



50歳代でルミナルタイプ、多発肝転移、多発骨転移の方が、出来れば根治を目指した治療を願われて転院して来られました。



※ 注: 私は現在直接の転院をお受けしておりません。


またこちらのブログでの個別の医療相談もお受けしておりません。


大変申し訳ありませんが、現在私がご提供させていただいています治療体制を崩壊させず、出来るだけ長く維持するためには、どうしても必要な措置ですので、ご理解の程、何卒宜しくお願い致します。




前医で原発巣、転移巣は共に著明に縮小あるいは消失していました。


当院ではさらなる縮小、あるいは消失を目指して治療を変更しました。



骨転移巣は、CT、PETならびに骨シンチグラフィで、完全寛解に到達したと判断しました。



肝転移巣の多くは造影CTで不明瞭化し、一部に瘢痕化していると判断し得る像の遺残がありました。



肝転移巣の遺残をさらに詳細に検討した所、いくつかさらに遺残を疑う結節を認めました。



治療を変更し全身治療した後のMRI画像です。



肝右葉 (S6)に小さな結節を認めました。


既にがん細胞は居ないかもしれませんが、100%の鑑別は出来ません。



この様な場合私は、遺残の可能性を考慮して、今後の治療につき検討を加えていきます。


もう少し頭側の他のスライスです。


肝左葉の元々大きく瘢痕様に変化した転移部位と、その腹側左側(向かって右上側)に結節を疑いました。


こちらの画像では、まだしっかりとした結節が遺残している様に見えました。



すべての結節の状態、それらは縮小し続けているのか、止まっているのか、あるいは増大し始めているのか。。


また、マイクロ波焼灼術が可能か困難か、手術が可能か困難か等、画像や年齢、身体の状態等総合的に判断していきます。



そしてさらに現治療を継続するのか、さらに治療を変更した方が良いのか、あるいは全身治療を終了してマイクロ波焼灼術を行うか、または外科的に根治切除術を選択するのか。。



この患者さんにおいては、現時点で根治的マイクロ波焼灼術が可能であると判断しました。



もう一度、遺残が疑われた肝右葉の結節です。



マイクロ波焼灼術後の造影CT画像です。


綺麗に焼灼出来ています。


その頭側のスライス画像です。



肝左葉に肝転移の遺残が疑われました。


マイクロ波焼灼術後のCT画像です。


向かって右側の小さい方の焼灼術後になります。



赤い矢印が向かって左側の焼灼術後になります。


黄色い矢印は別の結節への焼灼術後の跡になります。



安全性と根治性を考慮しながら、それぞれのマイクロ波焼灼術を行っていただきました。