内分泌療法に対する耐性克服について | the east sky

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いつの日か、すべての進行乳がん(切除不能乳がん・転移乳がん・再発乳がん)が根治する日を願っています。

身体の状態は基本的に「DNA」という遺伝子の設計図に基づいて制御されています。


その「鋳型」を元に、必要なシグナル(信号)伝達や物質産生のために「RNA」が作られます。


最終的にRNAを鋳型として必要なタンパク質が産生され、様々な体内の営みがなされています。



HER2の過剰発現は基本的には、「HER2タンパクをコードする遺伝子のコピー数増加」というDNAレベルの変化で起こっています。



ところが、ER(エストロゲン受容体)の過剰発現は、RNAレベルで起こっています。


つまり、ERタンパクをコードする遺伝子であるESR1のコピー数は、基本的には増幅していません。




また何かの機会があれば、一度ゆっくりと真のLuminal Aと真のLuminal Bについて話せれば良いのですが、Luminal Aは多くのER関連遺伝子が高発現する事によって、ERを過剰に産生しています。


ちなみにLuminal BはER関連遺伝子の高発現はありません。



まとめますと、乳がんの発生には、genetic change(DNAレベルでの変化)で生じるタイプ(HER2 type等)と、epigenetic change(DNA以外の変化)で起こるタイプ(Luminal type等)があります。



突然、なぜこの様な話をするかと言いますと、以前に内分泌療法耐性克服につながる鍵を1つ見つけていたのですが、もしかしたらその鍵を使える日がいつか来るかもしれない事を知る事が出来たからです。