骨シンチグラフィで描出される乳がん骨転移は内分泌療法では根治し難い | the east sky

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いつの日か、すべての進行乳がん(切除不能乳がん・転移乳がん・再発乳がん)が根治する日を願っています。

知識をつなげる事(リンクさせる事)、もう少し続けたいと思います。



先のブログで、ルミナルタイプ乳がんの骨転移の初期は、結合した骨芽細胞の刺激により、エストロゲン受容体 (ER)の発現が消失する事を書きました。




ルミナルタイプ乳がんの骨転移がこの段階で居る限り、あるいは居る部位では、内分泌療法が効かない事を意味します。


そして、骨転移の始まりから初期には、骨芽細胞が異常に増殖して、造骨性転移を来す事を示しました。







次に骨シンチグラフィは、ハイドロキシアパタイトが多く沈着した部位を描出するので、造骨性変化した早期の骨転移を描出する事を示しました。



以上の事をつなげると(リンクさせると)、


「骨シンチグラフィで検出されるルミナルタイプ乳がんの骨転移には、内分泌療法が効かない。」


と言えるかと思います。



私は骨シンチグラフィと、骨条件での3方向CT画像の情報を組み合わせて、造骨性病変=早期骨転移段階の、がん幹細胞に類似した病変の存在=内分泌療法が効かない乳がん骨転移の存在を類推します。



骨シンチグラフィで確認し得る骨転移を有するルミナルタイプ乳がんの方が、根治(完治)を目指せる治療を望まれた場合、私が内分泌単独療法や内分泌療法±CDK4/6阻害薬併用療法を、1st line (治療の第一選択)に選ばない理由の一つです。