ルミナルタイプ乳がん術後に、肺(22個)・胸膜(3個)・肝(6個)・右腋窩(1個)に転移再発された方がおられました。
8ヶ月後の胸部CTでは、肺の22個の転移巣はすべて消えていました。
腋窩リンパ節の腫脹も消失していました。
治療前の腹部造影CT画像です。
矢印は肝転移再発巣です。
全部で6個ありました。
初診から11ヶ月目のCT画像です。
一番上の(頭側の)肝転移は消失していました。
最も大きかった肝転移再発巣です。
中心部が黒く(血流が無く)、かなり悪性度が高い事が予想されていました。
初診から11ヶ月後のCT画像です。
小さく黒く残っています。
下の一目盛りが1 cmなので、8 mmくらいでしょうか。
がんがいなくなって、嚢胞化しているだけかも知れないですし、乳がん細胞がまだ残っているかも知れません。
その直ぐ足側の肝転移巣2つです。
初診時から11ヶ月後のCT画像です。
こちらは綺麗に消えていました。
さらに足側の治療前の肝転移巣です。
初診時から11ヶ月目のCT画像です。
何となく薄っすら、黒く見える様な気がします。
瘢痕(転移巣があった跡)かも知れませんし、まだがん細胞が残っているかも知れません。
一番足側の肝転移巣です。
こちらも中心部が黒く、悪性度が高い様に感じました。
初診時から11ヶ月後のCT画像です。
こちらも何だか薄っすら黒く残っている様に見えます。
やはりこちらも、がんは既に居なくなり、瘢痕だけかも知れないですし、まだ残っているのかも知れません。
今後、厳重な経過観察は一つの選択肢かも知れません。
ただ、もしかしたら、ここで終わるから、また再燃してくるのかも知れません。
この患者さんと私は、上のお子様が無事に大学を卒業される姿を見る事が、当面の目標です。
まだ数年先です。
私はこの時点で、迷わず次の一手に駒を進めました。