骨転移評価における骨シンチグラフィとPET検査、CT検査の役割 | the east sky

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いつの日か、すべての進行乳がん(切除不能乳がん・転移乳がん・再発乳がん)が根治する日を願っています。

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少し前に、ある方から以下のコメントをいただきました。




下は以前に私が治療に携わらせていただいた、ある患者さんの骨シンチグラフィです。


何ヶ所か黒い集積がありました。



一番上のオレンジ色の矢印は齲歯(うし=虫歯)です。


骨シンチグラフィは虫歯も黒く集積してきます。


乳がんは歯には転移しません。



下のオレンジ色の矢印は肋軟骨移行部(肋骨と軟骨の接合部)ですので、ここにも乳がんは転移しません。



気になるのは上下の赤い矢印です。


上は右鎖骨と胸骨の関節部分です。


しかし、以前にここの関節部に負担がかかる様な既往があれば、黒く集積する事はあります。



骨条件のCT画像で、転移検索をしました。


正面像です。


右鎖骨、胸骨、関節部に、骨転移を疑う様な変化は認めませんでした。


同部の骨条件での断層撮影像です。



こちらにも、特に左右差はなく、転移を疑う変化は認めませんでした。



患者さんには、痛み等特に症状はありませんでした。



この方には小さなお子様がおられました。


お子様の抱っこで負担がかかったり、その際に頭をぶつけたりした際にもこの様な集積は起こる可能性がありますので、それかもしれないと考えました。



次は両側股関節部のCTの正面画像です。


こちらも、特に増骨性変化や溶骨性変化等、骨転移を疑う所見は認めませんでした。


この部位の軽い痛みを認めました。

ただし、患者さんのお話では、幼少期に左の股関節炎になり、昔からこれまで、ずっと同様の痛みは感じて生きてきたとの事でした。

炎症でも、同様の集積は認めます。

よって、いずれも経過観察としました。

他の部位には、転移を疑う明らかな所見は認めませんでした。


原発巣を手術しましたが、採血データ等どうも心に引っかかる感じがありました。


そこで、その当時病院に導入されたばかりのPET検査を行いました。

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