歴史上最強格闘家決定戦 -4ページ目

第十八話 「橋本真也対小川直也」

袈裟切りチョップのラッシュ!ラッシュ!


試合開始から、橋本が猛然と小川に襲いかかった。


総合ルールにおいても、橋本のチョップは有効であることを証明している。


試合開始わずか1分、はやくも小川がダウンを喫した。


うつぶせ状態の小川に、そのまま馬乗りの状態でさらに襲いかかる。


もう敗戦は許されない。


橋本の心理状態は崖っぷちに立たされていたのかもしれない。


早くもレフェリーが小川の様子をチェックする。


騒然とする東京ドーム。


側頭部へのパンチを嫌がる小川は、頭部をしっかりとディフェンス。


しかし、ディフェンスなどお構いなしに攻撃を続ける橋本。


うつぶせ状態から回避するために、体を入れ替え、正面を向いた小川。


しかし、これが仇となった。


さらに橋本の猛攻がその激しさを増した。


試合前には全く予想だにできなかった小川の防戦一方の展開。


両手でしっかりとガードしているが、その間隙をぬって、小刻みに橋本のパンチが当たっている。


レフェリーが副審と協議を始めた。


試合開始3分。


ドームは圧倒的な橋本コールに包まれていた。


「ストップ!!!」


ついにその時が来た。


セコンドとともにレフェリーが二人を分ける。


興奮やまぬ橋本の形相。


そして次の瞬間、大きなアナウンスが響いた。


「勝者、橋本真也!」


一気に爆発する東京ドーム。


勝者であるにもかかわらず、呆然と立ち尽くす橋本。


武藤、蝶野、大谷が駆け寄る。


ついに、この瞬間を迎える日が来たのだ。


橋本真也、総合格闘技のリングにおいて、小川直也に文句無しの完勝である。


そして、今だ起き上がることができない小川のもとに近づく橋本。


一体何を話しているのだろう。


ほんの少しだけ言葉を交わした二人は、寝たままの小川が満面の笑みを浮かべて、両手を広げた。


小川の状態を気遣い、橋本はそのまま小川と抱き合った。


そして、橋本コールを凌駕するほどの小川コールが巻き起こる。


大の男が寝たままの状態で抱擁するその光景… 実に絵になっていた。




長い年月をかけた二人のライバル闘争が、終幕を迎えた。




第十九話 「グレイシーハンター・桜庭和志」 に続く…

第十七話 「三度目の正直」

「爆勝宣言」のテーマ曲とともに、破壊王・橋本真也がやってきた!


一連のトニー・ホームとの異種格闘技戦以外には、総合格闘技の場には姿を現さなかったプロレス界のエースが、ついに禁断のマットへ足を踏み入れようとしている。


しかし、橋本に絶対的な格闘センスがあることは、新生UWFへの移籍要請があったことからも伺い知ることができる。


しばらくプロレスマットから姿を消していた橋本の体は、若干ながら引き締まった感がある。


熱烈なファンの大声援を受けながら、ついに橋本はリングインした。


東京ドームが興奮の坩堝と化す。


そして、再びドームが暗転。


橋本の対戦相手を待つ6万人超の観衆。


残る参戦選手は限られている。


そのわずかな時間のなか、観衆がそれぞれに熱望する対戦相手を口にしているのか、ざわめきが消えない。


「ハッスル・小川直也選手の入場です!」


その瞬間、東京ドームが揺れた。




「破壊王・橋本真也対ハッスル・小川直也」戦が告げられた同時刻、ドームの関係者出入口に一台のベンツが止まった。


そして、その中から二人の男が現れた。


関係者たちは、彼らの登場に驚き、慌てて事情聴取を始める。


…が、彼らは関係者たちの静止を無視するかのように、無言で会場内へと消えていった。


ブルーザー・ブロディ


スタン・ハンセン


彼らの目的は一体…!?




セコンドについた武藤・蝶野が、橋本に平手で活を入れた。


ドームのボルテージはマックス状態。


リング下の大谷の眼にも光るものが見える。


対する小川の表情は、かつて橋本をKOした“あの時代”に戻っている。


そこには、ハッスルの小川はいない。


日本には「三度目の正直」という言葉があるが、小川のデビュー戦を含めると、その倍、実に六度目の対決。


そして、運命のいたずらか、その場は総合格闘技のリング。


全ての答えがここで出る。


運命のゴングが鳴った!


第十八話 「橋本真也対小川直也」 に続く…


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第十六話 「最強戦士」

真の絶対王者・ジャンボ鶴田の攻撃は、6万人超の観衆の度肝を抜いた。


試合開始から様子を窺う藤原に対して、アマレス仕込みのタックルを仕掛けたかと思った次の瞬間には、そのままテイクダウンを狙うのではなく、フロントスープレックス一閃。


脳天から叩きつけられ、悶絶する藤原のバックを取った鶴田は、そのまま側頭部へのパンチのラッシュで、あっという間に試合を決してしまった。


その間、わずか31秒。


文字通り秒殺である。


そして、初の総合格闘技を勝利で終えた鶴田は、「オー!」10連発で東京ドームを一体と化した。


この日、この大会の開催により、小橋、長州、鶴田という怪物的総合格闘家が目覚めた。


この意味合いは、これから起こるであろう「歴史上最強格闘家決定戦」の図式を大きく塗り替えるほどのインパクトを秘めていることを予感させた。


なかでも、鶴田の強さは別格とさえ言えるもので、この男こそが世界最強戦士であることを感じずにはいられなかった。




そして、続く第4試合では、


「世界の荒鷲・坂口征二対NOAH・秋山準」


という玄人好みの試合が実現し、白熱の攻防の末、秋山が腕ひしぎ十字固めで坂口を下した。


さらに、第5試合では、


「日本人最強・藤田和之対三冠王者・天龍源一郎」


という好カードが実現し、ほとんど殴り合いのみの無骨な試合展開の末、総合格闘技に一日の長がある藤田が生き残った。




そして、いよいよ日本人最強決定戦 第1回戦・第6試合。


東京ドームが一瞬の暗闇に包まれ、静かにその男の入場テーマ曲が鳴りはじめた。


「爆勝宣言」


破壊王・橋本真也がやってきた!




第十七話 「三度目の正直」 に続く…