2日前に投稿した映画のお話で思い出した
娘が亡くなった翌月であり、もう一人の大切な人が亡くなる前日となった「2月21日」から私のシネマデーは始まったのですが、その時に観た映画がとても素敵だったのでここでご紹介します
それは「夜明けのすべて」
松村北斗さんと上白石萌音さんのW主演作品
月に一度、PMS(月経前症候群)でイライラが抑えられなくなる上白石萌音さん演じる藤沢さんは、
ある日、松村北斗さん演じる同僚の山添くんとある小さな行動がきっかけで怒りを爆発させてしまう
だが、転職してきたばかりだというのに、やる気がなさそうに見えていた山添くんもまたパニック症候群を抱えていて、
さまざまなことを諦め、生きがいも気力も失っていたのだった
職場の人たちの理解に支えられながら、友達でも恋人でもないけれど、どこか同志のような特別な気持ちが芽生えていく二人
いつしか、自分の症状は改善されなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになる
※引用:映画「夜明けのすべて」のパンプレットより
この映画を観ようと選んだ理由は忘れてしまったけれど💦
実際に映画を観覧しながら、やはり娘と重ね合わせてしまった
娘はどちらかというと、松村北斗さん演じる山添くんのような感じだった
自分が困っていても、周りに困っている人がいると自然に助ける存在だったらしい
らしいというのは、娘が亡くなってから、娘の友人から聞いた話だから
その友人は、小学生や中学生、高校生の時に大変な悩みを抱えていたそうで・・・
しかし、我が娘が学校でいろいろ励ましてくれたお陰で学校生活がとても有意義なものとなったことを、娘が亡くなった後に私に話してくれたのだ
その時私が感じたのは、娘が「親の前で見せている顔」と「外で見せている顔」が少し異なっていたこと
娘は生前、親である私に「本当に私はまだまだ子供だから、早く大人になって親孝行するから待ってて」と言っていた
しかし友人からのお話を伺い、私は娘のことを全く理解していなかったことに気づかされた
映画「夜明けのすべて」を観覧しながら、そのようなことを想い巡らしていた
そしてパンフレットの最後に、原作者である「瀬尾まいこ」さんが書かれたメモがこうだ
「夜についてのメモ」
夜明け前がいちばん暗い。
これはイギリスのことわざだが、人間が古来から夜明けに希望を感じる生き物のようだ。
たしかに、朝が存在しなければ、あらゆる生命は誕生しなかっただろう。
しかし、夜が存在しなければ、地球の外の世界に気づくこともできなかっただろう。
夜がやってくるから、私たちは、闇の向こうの途轍もない広がりを想像することができる。
私はしばしば、このままずっと夜が続いてほしい、永遠に夜空を眺めていたと思う。
暗闇と静寂が私をこの世界に繋ぎとめている。
どこか別の街で暮らす誰かは、眠れぬ夜を過ごし、朝が来るのを待ちわびているかも知れない。
しかし、そんな人間たちの感情とは無関係に、この世界は動いている。
地球が時速1700キロメートルで自転している限り、夜も朝も、等しくめぐって来る。
そして、地球が時速11万キロメートルで公転している限り、同じ夜や同じ朝は存在し得ない。
いま、ここにしかない闇と光ーーーすべては移り変わっていく。
一つの科学的な真実ーーー喜びに満ちた日も、悲しみに沈んだ日も、
地球が動きつづける限り、必ず終わる。
そして、新しい夜明けがやってくる。
※引用:映画「夜明けのすべて」のパンプレットより
瀬尾まいこさんが書かれたこちらのメモを拝見し、新しい夜明けがやって来ることを信じたいと思った
夜明けが来ることは当たり前のように感じていたけれど、瀬尾さんのような視点を持つことで、何か少しでも心の平安を保つことになるのかなあと思うとともに、自然の現象を当たり前と捉えるのではなく、少しの変化にも気づけるようになりたいとも思った
素敵な映画をありがとうございます