テムズ河の潮汐を眺めつつ -315ページ目

古風なテレビの演出

今年の夏から日本語衛星放送を視聴しています。せっかくなので大晦日の今日は午前10時半から午後2時半まで生放送のNHK紅白歌合戦を見ていました。普段インターネット等で話題の新しいバンドや歌手の名前は見かけてもその音楽はなかなか聞けないので楽しみにしていました。
 「やっぱり日本の歌番組のセットって70年代から変わっていないみたいに見えるね。」というのは夫の感想です。日本語衛星放送だとNHKとフジテレビの一部の番組しか見られず歌番組と言えば『音楽・夢くらぶ』位なのですが、日本の私の実家に里帰りした時に見る他の歌番組を含めてもそう思うそうです。
 確かに紅白の背景の白の棒を組み合わせた様な幾何学的な舞台装置は昔っぽく見えます。日本でもコンサートではレーザー光線などの照明効果を使うのにテレビではあまり見ないのはなぜでしょうか。スマップやモーニング娘の様なポップバンドがお揃いの衣装を着る所も昔っぽいと思いました。

昔っぽいと言えば、ニュース番組やバラエティー番組で何かの図式などを見せる時に必ずボードに印刷した物を使いますよね。司会者が解説しつつシールを剥がして下の隠してあった文章を見せたりして。これも全て画面上のグラフィックに出来ないはずはないのに敢えてボードを使うのはなぜなんでしょうね。
 

安全毛布としてのパブ

昨日ワイト島からロンドンに戻って来たらロンドンの方がワイト島よりかなり冷え込んでいました。娘は来年の初めまでそのままワイト島に滞在しているので今朝はゆっくりと寝坊を楽しみ、夫はホームセンターに床材を買いに行き、その後スーパーマーケットに食料品の買い物に行きました。私は家で掃除洗濯をしていました。夫はDIY、私は部屋の片付けをして午後を過ごしました。
 夕食を頂きつつ録画しておいた「The Britain's Best Pub」という番組をテレビで見ました。紹介されていたパブの内の1軒は「The Anchors」という名前でタワー・ブリッジの側にあり、Samuel Pepysという著名なイギリス人随筆家が1666年のロンドン大火を眺めていたのがこのパブの窓からなのだそうです。皮肉な事にパブは大火の10年後に火事で燃え落ち現在の建物はその後建替えられた物だそうです。
 イギリスの象徴の1つとも言えるパブですが番組では現在では毎週6軒のパブが廃業していると言っていました。近所の住民が自分達のパブを守ろうと協力して買い取るケースもあるそうです。イギリス人らしく夫もパブが大好きです。仕事の後にお友達との会話と交流を楽しむ場所、1人の休日には新聞か雑誌を持って行く読書の場所、サッカーなどの重要な試合がある日は大スクリーンにて試合観戦をする場所でもあります。
 食事時もレストランに入るよりパブに入る方が落ち着くらしいです。昔はパブの食べ物と言えば手軽だけどあまり面白くもないという感じでしたが、最近は「ガストロ・パブ」と呼ばれる食べ物に力を入れているパブが増えているので嬉しいです。伝統的な英国料理の他にエスニック料理、特にタイ料理を供するパブが多いです。タイ人のシェフをイギリスのパブに紹介する代理店があるに違いありません。
 イギリス人男性の馴染みの近所のパブに対して抱く愛着感、安心感はまるで幼い子供の安全毛布にも似た物があると思います。それを語るエピソードが「ドーン・オブ・ザ・デッド」のパロディーの「ショーン・オブ・ザ・デッド 」にあります。街に人々をゾンビにする伝染病が蔓延した時に主人公の男性と家族や友人達が「自宅よりも安全な避難場所、最後の砦」として目指したのは馴染みの近所のパブでした。



ショーン・オブ・ザ・デッド

最近ではパブによっては積極的に家族連れを受け入れていますが、昔はやはり大人だけしか入れなかったそうです。週末の午後に子守り中の男性はどうしたかというと、自分はパブの中で飲んでいる間、子供は外で待たせていたんだそうです!子供は父親が飲み終わって出て来る時におつまみとして売られているポテトチップスの小袋を1つおやつにくれるのを期待して待っていたそうな。
 上記は現在59歳の義理の父の経験談なのですが、26歳の友人の話では彼女がまだ赤ちゃんだった時に当時アルコール中毒だった彼女の父親はベビーカーに乗っている彼女をパブの前に置き去りにして中で飲んでいたそうです!26年前と言えば1979年ですよね、そんな最近までそんな事がまかり通っていたとは。あ、でも日本だと今も子供だけで家や車に残して仕事、買い物、パチンコなどするのは普通なんですよね。

Bubble and Squeak

私と夫が朝食にトーストを食べていたら夫の姉のケイトがやってきて夫の母のペニーと一緒に昼食と夕食の算段を始めました。「なんだか一日中食事の用意して食べて後片付けをしている気がするわね。」と言いながら。本当にそうなんですよね、休みの時って。平日でも同じ回数だけ食事しているはずなのにね。たぶん平日の昼食は職場で持参したお弁当や買って来たサンドイッチを食べるだけで、準備と後片付けが無いのが大きいんですね。
 ケイトが「昼食にはバブル・アンド・スクイークはどうかしら。」と言い出した所、夫は「バブル・アンド・スクイークなんて嫌だ、それなら弥生と2人で近所のパブに外食しに行くから。」(わがまま!)と言いました。そうしたらなぜだか家族総出で外食しようという話になりました。後で夫が説明してくれたのですが、現在夫の姉夫婦は無収入で夫の両親に頼って生活している事、そのため外食となると夫の両親が全額支払う事になるそうです。

このホテルには夫の姉夫婦、姪、夫の両親だけではなく、夫の姉の夫の両親も 同居しているので彼等も一緒に来る事になるけれど彼等は自分達の食事代を払わないので更に負担が大きくなるし、その上今日は高齢の親戚の女性も1人も加わる予定です。それでもケイトもペニーもたまには外食したいと思っているから私達のパブに行く話に飛びついて、いつも無駄遣いに反対するペニーの夫、ケンを説得しようとしようと考えているそうです。
 結論の出ないまま私と夫は近所に散歩にでかけました。 昨日とは反対方向の東に進むと、海岸まで降りて行く道に出ました。岩場の向こうにはボート置き場、そしてその先には砂浜が!イギリスの海岸は小石の浜が多くて砂浜は珍しいです。岸辺の岩の緑の苔から判断すると、この砂浜は引き潮の時にだけ現れるようで、砂は湿っていて固く歩き易かったです。歩きつつ、「クリスマス中お世話になったし香蓮も数日預かって貰うんだから私達が全員に御馳走するべきだ。」という結論に達してホテルに戻りました。

そうしたらちょうど台所からフライドポテト、目玉焼き、ハムを載せたお皿を運び出しているケイトと彼女の義理の両親に遭遇。結局堅実なケンの反対で自宅であるもので昼食を済ませる事にしたそうです。ところで夫がそこまで嫌う「バブル・アンド・スクイーク」って一体どんな 料理か聞いてみたら、「要は残飯を片付けるための料理。ケンとケイトの好きな北イングランドの料理。」という返事でした。コウビルド英英辞書をひいてみました。
 「In Britain, bubble and squeak is a dish made from a mixture of cold cooked cabbage, potato, and sometimes meat. It can be grilled or fried.」だそうです。実際に夫の家族が作ろうとしていたのはクリスマスのローストディナーの残り物(ターキー、ポテト、人参、パースニップ、ブラッセルスプラウト等)を適当に刻んでお皿に盛って上にチーズをかけてオーブンで焼いた物だったようです。庶民的な料理で味は悪くないと思いますがカロリーは高そうですね。

カロリーが高いで思い出したのは、カナダからお友達が来た時に「楓の葉」という名前のカナディアン・パブに入って注文した、「プートン」(確信はないですけど、Pで始まる言葉で、フランス語のスラングだそうです。)です。フライドポテトの上にチーズを載せてオーブンで焼いた物!こんな物しょっちゅう食べていたら成人病になって早死にすると思いましたが、カナダで極寒の中ウインタースポーツをしている時の軽食としては良いかもしれません。
 結局今日のお昼は夫と私はホテルを抜け出してパブに行って食べて来ました。 私はハンバーガー、夫はビーフステーキを選び、それぞれ同じお皿にとサラダとフライドポテトが付いて来ました。 海が見える窓の側のテーブルに座り、沖を巨大なタンカーがゆっくりとでも確実に横切って行くのを眺めながらいただきました。かなり寒くて気温は摂氏3度程、予報では雪になると言っていますがまだ降って来ません。 明日は香蓮をワイト島に残してロンドンに帰ります。

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2006年のボクシング・デイ

今日も昨日に引き続きずっと家に引きこもっていました。午前中は寝室で12月中に撮影した写真をコンピューター上で修正、クロップ、フォーマットする事に勤しみ、ブランチを食べに1階に降りたのはもう昼近くでした。その後は夫の家族がクイズのをかけてチームに分かれて競っている間、私は傍らで作業を続けていました。 今週の最後のアルコールに選んだスノーボールを飲みながら。


夕方4時過ぎに義理の父と夫と姪と香蓮と一緒に犬の散歩にでかけました。ホテルの庭を下って行くとすぐに海に面した崖沿いの野原に出ます。そこには灯台があるのですが、もう日が暮れていたので明かりが点いていて光の筋が背後の崖の中腹を繰り返し走っていくのが見えました。歩くにつれどんどん日が暮れて帰りには足下が見えない位でした

 灯台の写真を撮ろうとしたけれど暗いのでシャッタースピードが遅くてどうしても手ぶれしてしまいます。柵の上や岩の上にカメラを載せて自動シャッターを使って撮影しました。12月はパーティーなどの夜になってからや室内での行事が多くてどうしてもフラッシュが必要だけど人の目が赤くなっちゃったりするしあまり魅力的に写らないんですよね

 やっぱりバッグに収まる小さなしかも軽い三脚を買わなくてはだめですね。こういう時日本なら選択の幅も多そうだけどイギリスだとどうなのかな。インターネットでリサーチしつつカメラやコンピューターなどのテクノロジー関連商品に詳しいお友達の意見も聞いてみようと思います。やっと終わったけど瞳の色の薄い同僚やお友達のは目は殆ど赤目で修正が大変でした。

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2005年のクリスマス

娘の香蓮が夜中に咳をしていたので夫も私もそれぞれ1、2度起きて毛布から出ていないか確認したり水を飲ませたりでしたが、朝方は8時近くまで眠ってくれました。起き出すとさっそくサンタクロースの置いていったクリスマスストキングの中のプレゼントを私達のベッドの上で一緒に確認しました。


 その後は夫の両親の居間でトーストで朝食を済ませて着替えた後に午前9時頃1階のサンルームに集合して飲み物を片手にチョコレートなどを頂きながらクリスマスプレゼント配りを始めました。香蓮と姪のアシュリーは祖母に買っ貰ったお揃いの紺色のドレス、髪飾り、ストッキングをはいていました。




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私はコーニッシュウエアの本をプレゼント希望リストに載せていましたが、代わりに本物の調理器具立てと計量用の目盛りが入ったジャグを義理の姉夫婦から、そしてアタッチメントを取り替える事によってつぶす、まぜる、きざむ、泡立てるができるハンディミキサーを夫の両親から貰いました。


 夫からはかぎ編み針のニットで裾と袖口がフリルになっているカーキ色のチュニックと、伸縮性のあるコットン地で濃いグレーと淡いグレーの細い横縞の巻きエプロンのようなワンピースを貰いました。両方ともマタニティー・ウエアではないけれど伸縮性があるので妊娠中もずっと着られそうです。


夫はStar WarsのDVD、Von VondiesのCD、チョコレート、シャツ2枚、セーター1枚を貰っていました。香蓮はもう数え切れない程のプレゼントを貰いました。さっそく遊び出したのは夫の両親からの新しい赤ちゃんの人形で、夫が絶対に嫌だと買ってやらなかった「涙、No1、No2が出る」タイプの人形でした。




午後2時頃からクリスマス・ディナー。ダイニングルームで家族10人で一緒に楽しみました。メニューは定番のローストターキー、ローストしたじゃがいもとパースニップ、茹でたブラッセルスプラウト、にんじん、さやいんげん、グレービー、クランベリーソース、ホースラディッシュソースです。


 飲み物は大人はワイン、子供はジュース、私は義理の兄が私用に特別作ってくれたノンアルコールのカクテルでした。デザートはバニラアイスクリーム、缶詰の果物、クリスマスプディング、プランデーソース、シングルクリーム、カスタードクリームを各自好きなように組み合わせて頂きました。




ディナーの後は私も含めて殆どの人がお昼寝をしていたみたいです。夫は1人でビリーを連れて近所no灯台のある海沿いの野原へ散歩に出かけたようです。香蓮は従姉妹のアシュリーとプレゼントのおもちゃで昨日に引き続き一日中一緒に機嫌良く遊んでいました。


 午後8時頃に昼間の残りのターキーのスライス、ハムに加えて生野菜のサラダ、各種ディップ、クラッカー、チーズ、チャツネ、ミニオニオンのピクルス、パテ、バター、食パン、グレープフルーツを自由に組み合わせて夕食。昼食が重かったので、生野菜とフルーツがとてもおいしく感じられました。


 夫の両親の居間でテレビで『Dr. Who』の新シリーズを見ながらの夕食だったのですが、番組の中で主人公がみかんの事を「サスーマ」と呼んでいました。スーパーマーケットでみかんはSatsumaという名前で売られているのですが、Tsunamiを「スナーミ」と言うのと同じパターンで「ツ」が「ス」になったようです。


 その後見た「Before they are famous」だか「When they were small」だかのタイトルの番組は面白かったです。David Beckham、Sarah Jessica Parker、Tiger Woods、Daniel Radcliffeなどが幼少の頃テレビ番組や素人タレントコンテストに出ている様子が見られて面白かったです。


 クリスマスの時期は今年1年を振り返る番組も多いけれど、「最も人気のあった100の・・・。」という番組も多くて、コマーシャル、子供番組、バンド、連続ドラマ、アクション映画、ラブソングなどなど多岐のテーマに渡って私の知らないイギリスの50年代以降の大衆文化について学べます。


夕食後は今日はみんな疲れていて一緒にゲームなどをする事も無く各自の居間でそれぞれくつろいでいました。私と夫は義理の両親の居間にいて、私はコンピューターを借りていました。一歩も外に出ないで一日中家に引きこもって食べては寝るの、平凡で平和な2005年のクリスマスです。









Cornish Ware and Domestic Pottery









Braun マルチクイック MR5550 CA

夫の家族の住むワイト島に帰省

ロンドンからバス、列車、フェリーを乗り継いで夫の家族の住むワイト島に帰省しました。クリスマス・イブの午前8時頃家を出て島に到着したのは11時過ぎで、早めだったせいかバスも列車もガラガラでまるで貸切の様、快適な移動でした。列車はウォータールー駅から出るサウスウエスト・トレインを使いましたが車両も新しくてしかも掃除が行き届いていて気持ち良かったです。

 去年まではビクトリア駅からコネックス・トレインという会社を使っていましたが、この会社はつい最近までslam shut doorの古い車体を使っていました。このドアは手動で、内側にハンドルは無いので窓を開けて腕を外に出してハンドルを回して開けたり窓枠を掴んで引いて閉めたりしなくてはなりませんでした。最近導入された新車両もトイレは故障が多いし掃除は行き届いていないしで最悪。


ワイト島に到着してからフェリー乗り場のカフェで30分程夫の家族の出迎えの車が到着するのを待ちました。というのもいつもは列車で移動中に「何時発の列車に乗ったよ。」と連絡して待ち合わせするのですが今回は私も夫も携帯電話を忘れてしまったのです。携帯電話を忘れたのに気が付いた時の夫の慌て様と言ったらまるで命に係わるみたいでした。現代人ですね~。

 夫の両親と夫の姉夫婦と9歳の姪は今年の初めに小さなホテルを買って経営しています。ホテル内に夫の姉の夫の両親も一緒に住んでいます。引越しの際に夫の両親の引越し荷物を積んだトラックが故障で全焼したハプニングもあったし、家族の誰も客商売の経験はなかったのですがホテル営業に必要な資格を取って脱サラしてなんとかやっています。


最近改装した義理の両親の居住部分はベッドルーム、居間、ミニキッチン、バスルームがあり私たちもゆっくりく寛げます。このクリスマスから2月一杯まではホテルを閉めて全体の改装をするのでこの今回は良いとしても、これまではホテルのお客さん用バーや居間しか団欒できる所がなかったのです。他のお客さんが居るところでは心底リラックスはできないですよね。
 夫の両親がこの夏に飼い始めたボーダーコリーのビルが7ヶ月になりいきなり大きくなっていてビックリしました。前に家に連れてきた時はトイレット・トレーニングが済んでなくて大変でしたが、それはもう解決済みでした。でも体は成犬並みでも心はまだ子犬でソファーに座っていると「構って~。」と膝に乗って来ます。重いんだってば、自分のサイズを自覚して欲しいです。

 
ホテルに到着した後夫と私と義理の父と一緒に近所のパブに昼食に行きました。ホテルにはレストランもバーもあるから一応商売敵なんですけど、ホテルでは銀婚式か何かのお祝いで団体さんが来ていて大忙しだったのでそちらに行ってしまいました。娘は姪とず~っと遊び続けていたのでホテルの戻ってからもゆっくり昼寝したりテレビを見たりできて極楽極楽でした。

夜ベッドに行く前にもうお客さんは居なくなったホテルのサンルームに集まり、クリスマス・ツリーの下にプレゼントを置いたりしながら全員で集まってMuld Wine(モールド・ワイン)ホット・パンチとか、ドイツ語ではグリューワインとも呼ばれている暖かいワインです。赤ワインにシナモンやクローブなどのスパイスと砂糖が入っています。

 このクリスマスはイブに1ユニット(小さいグラス一杯分に相当するアルコール)、クリスマス当日に1ユニットと、「妊婦のアルコール摂取は1週間で2ユニットまで。」というNHS(国民医療サービス)のアドバイスを守ろうとしています。で、イブの1ユニットはモールド・ワインにしました。残りの1ユニットは大好きなスノーボールというアドヴォカート(脚注1)がベースのカクテルにするつもりです。


脚注1

製造会社名(ワニンクス)、アルコール度(17.2)、原産国(オランダ)で、ブランデーをベースに卵黄、バニラ、砂糖を配合して作られます。カスタードクリームのような色と質感です。ミルクセーキにアルコールを足したような、懐かしい感じの味です。

 スノーボールの作り方は、ロンググラスに2センチ位アドヴォカートを入れて、その上から冷たいレモネードを注いで混ぜるだけ。飾りにカクテルチェリーを浮かべます。スノーボールはクリスマスと連想されるカクテルです。
 ワニンクス社は1616年設立。アドヴォカートとは、オランダ語で「弁護士」の意味で、飲むと饒舌になるからなのだそうです。他の会社も類似品を製造していますが、私はワニンクス社のアドヴォカートの味が一番好きです。

車の名前

車の名前に限らず外来の固有名詞は日本語のカタカナ表記の発音と英語圏で使われている発音と違う事があります。そしてその外来の固有名詞が英語圏の物ではなくて他の言語圏からの物だとその元々の出所での発音のされ方がまた違ったりして結構ややこしいんですよね。

車の名前で違う物はたくさんありますが大体聞いたその場で「あ、これは日本では・・・だな。」と分かりました。でも中には違い過ぎてしばらく気がつかなかった物もあります。例えば日本ではMercedes Benzはメルセデス・ベンツ、または省略してベンツと呼ばれています。
 英語圏だと省略の仕方が違って前半のMercedesを残すのですが、それがマセイディーって聞こえるんです。Mercedes Benzは元はドイツの会社でしたが今もそうなんでしょうか。この頃は自動車のブランドも国際的に売りに出されるので親会社は実は別の国の会社っていう事が多々ありますよね。
 Mercedesは女の子の名前です。姪の両親は別にこの車のファンと言う訳ではないけれどその名前が好きで姪が生まれた時にマセイディーちゃんと名付けようかと思ったそうです。でもやっぱり有名な車と同じ名前では他の子供にからかわれるのが目に見えているので止めたそうです。正解だと思います。
 もう1つかなり難しかったのがジャギワ。15年前に2週間ホームステイさせて貰ったコヴェントリー在住の老夫婦が、「甥が高級車として有名なジャギワに勤めていて日本にも出張に行ったよ。」と言っていたのですが「そんな名前の会社は知らない。」と答えてがっかりさせてしまいました。正解はジャガー(Jaguar)でした。

車の名前ついでにイギリスのミニ(Mini)について。前の会社の社長さんが車の買い替え時を迎えた時のエピソードを。彼女が愛用していたのはフランスのRenault社製のコンパクトカーでした。ビジネス・ウーマンらしく新車選びの際は燃費、ローン利率、性能などのリストを作って各社の車を比較検討していました。
 そうしたら総合評価でトップに立ったのが日本の車メーカーのコンパクトカーでした。そこからが面白かったです。頭ではその車を買うべきだと分かっているのに社長の翔子さんの心はどうしてもその車のデザインが好きになれないんです。
 そこでリスト上のそれぞれの検討項目を見直してミニのポイントを少しづつ上げる涙ぐましい努力を始めました。傍らで見ていた私とフリーランスのマシューさんは笑いを堪えていました。最終的に3年後の下取り価格の保証か何かがあるミニのディーラーを見つけて無事にミニに決定! 

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翔子さんの運転するこのミニに乗って何回か一緒にオクスフォードに会議などに出掛けたりしたのですが、運転席周りの機器のデザインはBBCの子供番組のTweenies風で、発進する時の音もウィ~~~~~ンと言ってまるでおもちゃの電気仕掛けの自動車の様でとても愛嬌がありましたよ。

ミニついでに『ミニミニ大作戦 』の紹介。私この映画はイギリスに来てから見たので『The Italian Job』という原題しか知りませんでした。アマゾンでキーワードを入力すると最近リメイクされたアメリカのしか上がって来ないのでマイケル・ケインさんという主演男優の名前入れたら出て来た邦題に驚きました。
 イタリアでミニの小回りの良さを利用して金塊強盗をしようとするイギリスの泥棒達のお話です。コメディーです。ミニが下水管の中や階段など思いもかけない所をスイスイ走って行くアクションシーンが見物です。私はマイケル・ケインさんのファンなのですが、彼の決めの台詞が好きでマネすると夫は受けてくれます。
 「You're only supposed to blow the bloody doors off!」と強いコックニーアクセント(東ロンドン訛り。)で言います。「ユー・アー・アウンリー・サパウズ・トゥー・ブラウ・ザ・ブラッディー・ドーズ・オフ!」って。普通は「ユー・アー・オンリー・サポウズ・トゥー・ブロウ・・・!」と聞こえます。カタカナ表記に無理はあるけど・・・。
 この台詞は金塊強奪の予行演習としてとある車を金塊輸送車に見立ててドアだけを爆破して破壊するはずだったのに、火薬の使い過ぎで車全部を爆発させてしまった時に親分格のマイケル・ケインさんが手下の泥棒達を叱りつけるシーンに出てきます。

最後に泥棒達が歌う「This is the Self Preservation Society♪」という歌がまたキャッチーで好きです。コックニー英語独特の押韻俗語がたくさん含まれているのでそれを知らないとほとんど意味不明です。なので歌詞紹介の前に押韻俗語の意味を記しておきます。ダジャレですね、要するに。

Almond Rock = Socks
Daisy Roots= Boots
Hampstead Heath= Teeth
Whistle & Flute= Suit
Gregory Peck= Neck
Plates of Meat = Feet

でも押韻俗語の部分は少し調べれば分かりましたが、結局「Self Preservation Society」って何の事か分かりませんでした。「自己保存会」???夫に聞いても分からないと言っていました。クリスマス休暇中に夫の両親や更にその上の世代の義理の姉の夫の両親にも聞いてみようと思います。

『Getta Bloomin' Move On!』

We are the self-preservation society
The self preservation society

Put on your almond rocks and daisy roots
Brush your Hampstead Heath
Wear your whistle-and-flute
Lots of lah-de-dahs and Cockneys here
Look alive and get out of here

Get your skates on mate
Get your skates on mate
No bib around your Gregory Peck today, hey!
Drop your plates of meat
Right on the seat

This is the self-preservation society
The self-preservation society



ミニミニ大作戦

マシューさんと食事

クリスマスまでいよいよ秒読みの段階に来ました。娘の香蓮のAdvent Calendar(脚注1)の窓もほとんど開いています。職場も昨日辺りから社員の内3分の1位は既にクリスマス休暇に入っているのでかなり静かでした。私は現在はバス通勤であまり乗客の数の変化は感じませんでしたが、これが地下鉄や列車通勤なら空いているな~と思うでしょう。

昨日は仕事を早退して検査の為に病院に行って来ました。その後バスでコベント・ガーデンまで移動して友人のマシューさんと食事をしてから帰りました。彼とは頻繁に会っている方だと思うのですが、前回会ったのは9月でした。マシューさんと出会ったのは2002年の夏、彼が私の前の職場に仕事をしに来た時です。彼はフリーランスのビジュアライザーです。
 その昔はビジュアライザーの人はマーカーを使って素早く新製品の包装のアイディアなどを形にしましたが、今はもちろんコンピューターを使って作業をします。私の前の職場(やはり出版関係)では、彼の画像処理の知識を洋服のカタログ作成に活かしたり、彼がコンピューター上で描いたイラストレーションを本の挿絵として使っていました。
 何も無い所から立体的なイラストを描き出したり、写真の背景を付け足したり、人や物を背景から切り抜いたり、モノトーンのイラストレーションに色を付けたりする様子はまるで魔法みたいです。物に光の当たる方向、陰影、反射、透明感などに対する感覚が非常に優れていて、コンセプトを実際に目に見える形にするのが上手なのです。
 食料品や日用品の包装をビジュアライズ、デザインするのが主な仕事だそうです。包装に使う写真は上手な写真家が撮っても必ず余分な物を取り除くとか色の変更などの修正の必要が出て来るそうです。例えばおむつの包装では「あの写真の赤ちゃんも、頭、腕、脚、胴とバラバラに複数の写真から取って来て合成しているんだ。」と言っていました。

マシューさんの外見は熊さん系、黒髪で黒い目、スケーターブランドの服を愛用していて、常に最新のガジェットを身に付けています。今回は買ったばかりのi podを見せてくれました。携帯電話は半年毎に新しいのに替えています。彼とは仕事の種類が似ているし、写真好き、映画好き、ロンドンに住む外国人(彼はイギリスに帰化しているけど南アフリカ共和国出身です。)と共通点がたくさん。
 私がそれまで知らなかったビジュアライザーという仕事の話、彼の趣味のぬいぐるみやMedicomの人形のコレクションの話、よく行く海外旅行の話(日本を含む。日本には今まで3回位行っているそうです。)、南アフリカ共和国の話、ガジェットやコンピューターの話が興味深いです。また、独身(歳は32か33。)なのに私と娘と一緒に海などに遠足にも行ってくれる珍しい(?)人です。

今回の彼の話で一番面白かったのは、彼のお母様が教授をしている心理学のカレッジに最近入学した日本人学生の話でした。「彼女は同じ日本人でも弥生とは大分違うアクセントで話すんだ。」というのでひょっとして地方出身の方かなと思いました。昔知り合いに居たんですよ、英語でしゃべっていても大阪弁に聞こえる人が。でもそうじゃないそうです。
 その理由は彼女が小学生の頃に両親と共にインドで暮らしていたからのようです!私の前の会社の社長の翔子さんはケニア出身のインド系の人で(やはり既にイギリスに帰化している)、彼女はいつもは普通のポッシュな(中産階級風の)アクセントで話すのですが、たまにふざけてインド訛りの英語で話す事がありました。それに似ているのだそうです。
 最後にマシューさんに告げたニュースをここでも発表します。2人目の赤ちゃんを授かりました。現在妊娠13週目に入り、昨日の病院の検査は赤ちゃんのエコー検査でした。予定日は2006年6月26日でワールドカップ・サッカーの最終段階にあたるため、夫は「イングランド・チームが決勝戦まで進んでちょうどその時に分娩室に籠る巡り合わせになったらどうしよう!」と今から心配しています。 

(脚注1)待降節カレンダー。12月1日からクリスマス・イヴまでの待降節の期間に毎日1つづつカレンダーの小窓を開けていきます。窓の向こうにはクリスマスに関係のある絵が現れるというのが伝統的なカレンダーですが、最近では小窓の中に小さなプレゼントが入っているものやチョコレートが入って入る物が一般的です。娘の今年のアドベント・カレンダーは『バービー』のでちっともクリスマスっぽくない!

ロンドン塔の仮設アイススケートリンク

先週の金曜日のオフィス・クリスマス・ランチで受付兼総務部の夏那さんが「一緒にロンドン塔のアイススケートリンクに行かない?」と言い出しました。誘いに乗ったのは会計部の皐月さん、営業部の郁枝さん、フリーランスのピクチャーリサーチャーの敦子さん、デザイン部の私、後1人は誰だか忘れました。女性の同僚同士での行事の予定だったのですが。
 週明けに夏那さんから「チケット買っておいたよ~。」の社内メールが来たのですが、それぞれの急用で行けるのは敦子さんと私だけという事態に。余ったチケットの内2枚は営業部の俊さんが買ってガールフレンドを連れて来る事になり、残りの2枚は敦子さんがお友達を誘おうとしたけど都合がつかなかったので私が夫と娘のために買い取りました。
 近年ニューヨークの真似か分かりませんが、ロンドンにも仮設のアイススケートリンクが増えているんですよ。なので是非娘の香蓮をその1つに連れて行ってやりたいと思っていたのでちょうど良い機会だと思ったのです。入場料は大人2000円子供1400円という料金設定なのですが、大人用の切符を2枚買い取ったので600円の損になってしまいました。
 この切符は天候が悪くても払い戻しはないそうなので小雨だったら滑っていたと思います。正規の料金で入場したとしても極寒小雨の悪天候の中で親子3人で滑りつつ「これじゃ~レジャーに来たんだか修行に来たんだかわかんないよ~。」なんていうはめになる可能性もあった訳ですし、今日はスケート日和(?)だったので600円位良しとします。
 上記の入場料には貸しスケート代も含まれていますが、手荷物は強制的に預けなくてはならず、一品につき200円かかりました。私達の切符は7時45分から8時45分まででしたが、7時25分までに到着して靴を借りたり荷物を預けたりしてくださいと切符には印刷してありました。かなりの大混雑なので、早めに着いた方が待たずに済みます。
 ロンドン塔のアイススケートリンクはその名の通りロンドン塔の敷地内にあって建物のライトアップもありなかなか素敵でした。リンクもそれなりの大きさです、下の写真をご覧下さい。しばらくこの辺りに来なかった間にすっかり再開発されていました。ロンドン塔の切符売り場、おみやげ物屋さんが新しくなっており、カフェやレストランの入った新しい建物もありました。

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職場の女性同僚と親睦を深めるという目的は果たせず、敦子さんと俊さんとも少しお話しした程度でしたが家族で大いにスケートを楽しみました。夫も娘もスケートは初めてで私は10年ぶり!さすがに最初はソロソロと滑り出しました。でもたった1時間でも私は前に出来た程度には滑れるようになり、夫もインラインスケートはした事があるので大丈夫でした。
 香蓮も手摺に半分ぶら下がりながら歩いたり、私や夫と手を繋いでクルクルツルツルしながらもなんとか一緒に前に進めました。しばらく相手をして貰った俊さんの事をとても気に入ったようで「俊さんの所に行きたい!」と張り切って1人でヨチヨチとペンギンのように氷の上を歩いたりしていました。子供って10代20代のお兄さんやお姉さんの事大好きですよね。
 香蓮は2、3回私達の手助けが間に合わなくて転倒していましたが別に怪我もしませんでした。家を出る時に一瞬「自転車用のヘルメットを持って行こうか・・・。」と考えたのですがやっぱり帽子で済ませておいて良かったです。他には6才位の男の子と10才と12才位の姉妹らしい女の子がいましたがヘルメットは被っていませんでした。どこでもそうなのかな。

スケートの後は本当だったら同僚と近所のパブで一杯飲んでから帰る所だったでしょうけど、今日はその場で「また明日!」とか「楽しいクリスマスを!」と言ってお別れ。夫と娘と私はアイススケートリンクに併設のカフェでホットドッグ3本、紅茶、ビール、ジュースを買って軽い夕食にしました。この代金が3000円で、今夜の行楽費は計9000円になりました。高い!
 今日もまた香蓮は私の同僚の俊さんだけでなく、スケート靴を返すのに並んでいる最中には周りの人、スケート後に軽食を買いに並んでいる時は店内の清掃をしている人と会話をしていました。クリスマス直前の季節限定のアトラクションに来ている人達はみんな笑顔で友好的で楽しそうでした。話しかけて来る香蓮にも快く返事をしてくださっていました。

最後に変なオチですが、スケート靴を脱ぐ為にカウンターの前にベンチが2列に並べてあったんですけどね。何気なく後ろの壁際のベンチを選んで座ってスケート靴を脱いでいた訳ですが、その前に並んだ若い女性達が・・・。みんなBuilder's Bum状態!Builder's Bumとは大工さんが作業をする為にかがんだ時に少しだけ見えるお尻の割れ目上部の事です。
 最近ローライズのジーンズやパンツしか売っていないですものね。その女性達の中には少しどころか正に半ケツ(下品でごめんなさい。)状態になっている人もいました。夫と私は目が点で顔を見合わせてしまいました。あの、別にちゃんと見るに堪えるキレイなオシリだったので良いんですけど香蓮がその光景を見て笑い出すのを止めるのが大変でした。

静と動

いよいよクリスマス直前の一週間に入りました。デザイン部の初音さんは既に先週の半ばからリオ・デ・ジャネイロに里帰りしているし、営業部の俊さんも今日からホリデーに入りました。それ以外の人もこの最後の週にクリスマスショッピングのためにかなりの頻度で残りの有給休暇を取るので職場はかなり静かです。
 その静かな職場でコンピューターに向かって働いていると、背後で「ゴトッ」という紛れもなく誰かが机上のガラスのコップを倒した音がしました。ふり返るとデザイン部長の一平太さんが椅子から少し腰を浮かせていましたが無言だったので「きっとうまい事倒れる寸前にコップをキャッチしたんだな。」と思いました。
 しばらくしてまたふり返ると今度は彼の姿が消えていたので「あれ、やっぱり水をこぼしたから給湯室まで紙ナプキンを取りに行った?」と思ったけど実際は彼は床に膝をついて椅子の陰にいました。こぼれた水が机の隙間から床に流れ落ちているので床の物をどけているようです。代わりに紙ナプキンを取りに行ってあげました。
 ただこれだけの出来事だったのですが小さなアクシデントに無言でしかも全く慌てたり急いだりする様子もなく対処している姿に性格が出ているよな~と思いました。一平太さんは静と動で言ったら完全に静タイプの人です。前の会社の上司、翔子さんは動タイプの人でした。
 もし同じ事が起きたら「Oh, Fxxk! Shxt! I've just knocked my glass over! Yayoi, do you have any paper towel?」ってバタバタしながら机上の書類やキーボードを動かしたりしてかなり賑やかだったと思います。別にどちらが良くてどちらが悪いという訳では無いですがその違いが面白いなと思いました。