どうも、Kです。


はじめに、

一年も放置してしまい申し訳ないです。

特にY様には長らく待たせてしまいましたね。

弁解としてはPCがお亡くなりになっていた、

としか言えません。


PCくらいすぐに買えという話ですが、

なかなか交渉が上手くいかなかったもので。


では、本編をば、、


















「こんばんは、鈴木先生」


そこに居たのは紛れもなく

失踪扱いになっているはずの鈴木先生だった。


「こんばんは。高嶺君」


俺が目線を横にずらす。

鈴木と共にソファに座っているのは、

なんとなく予想できたが、細山だった。


「先生。なにか弁解はありますか?」


俺の質問に、鈴木はこくりと頷いた。

後ろで梓がなにやら言っているが

とりあえず、今は無視。


「僕と細山が一緒に居る理由を説明しておくよ。変に騒がれると困るしね」


と一拍置いて、

鈴木はこの失踪事件の事の発端を話し出した。


「まず、細山君の事から話そうか・・・」



鈴木の話はこうだ。



最初の原因は、陸上部として頑張りたい細山と、

陸上に情熱を注ぐあまり、成績が落ちている娘を心配した母親との

心情のすれ違いだった。


細山はそれを陸上部の顧問である鈴木に相談しに行った。

それが杉崎が見たという朝早くに登校していた細山の姿だったのである。


相談を受けた鈴木は酷とは思いつつ、

高校生は学業が一番大事だ、と彼女を諭した。

勿論、その後に両立できるように頑張れとフォローを入れようとしていたのだが、

それより先に細山は走って逃げ出してしまったのだ。


鈴木は細山を追った。


すぐに追いつき、彼女を引き止める事ができた。

しかし、味方と信じていた鈴木に裏切られたと感じた細山は

錯乱しており、なだめるのに時間がかかりそうだった。

涙目の生徒とその腕を掴む若い体育教師。

他の先生や生徒に見られれば要らぬ誤解を招くことだろう。


その時である。

学生時代の先輩である瀬田が現れたのは。


鈴木と瀬田は旧知の仲である。

その間柄から瀬田は、鈴木の弁明すら聞かずとも状況を理解した。

元来、鈴木は堅物で、高校時代も後輩を指導する際に

多少、キツい言葉を言ってしまうことがあったのだ。


とりあえず、

どこか落ち着ける場所を用意しようと考えた瀬田は

自分が顧問を務めている文芸部の部室に二人を入れた。

文芸部とは言っても去年、最後の部員が卒業し、

今はただの空き部屋に近い状態だった。


瀬田はその後、二人を部屋に残して朝のHRに向かった。

細山がまだ少し興奮しているようで、

息も上がり心なしか顔も赤かったからだ。


部屋を出ると鍵を閉めた。

その行為は習慣として瀬田の体に染み付いていた。

もはや意識の外で行われていたといっても過言ではなかった。


だからであろうか、

しばらくしたら二人は勝手に出て行くだろう、

部室の鍵は放課後にでも閉めよう、と考えてしまったのは。



残された二人はしばらくして、

鍵が閉められていることに気がついた。


細山はとっくに冷静さを取り戻し、

部活だけでなく勉強も頑張ろう、

と志を固め終わった直後の事である。


生憎と携帯電話は二人とも無い。

細山は高校生には珍しく普段から持っておらず、

鈴木は学校に持ってきていたカバンの中を

ガサゴソと探している様子から察するに家に忘れてきたようだった。


文芸部室は普段の学生が勉学に利用する校舎とは

別に建てられた文化部用の部室棟という場所にある。

その為、放課後になるまでは生徒の出入りがまったく無い。

更には場所が三階ということもあって、

完全に出る術を失ってしまい、

諦めて瀬田を待っていたそうだ。



このいくつもの偶然が重なった結果、

先生失踪事件、細山失踪事件を招いてしまったのである。



常に授業が入っている古典教師の瀬田は

職員室にも帰らず、教室から教室へ行っていた。

更には昼食も国語科専用室で食べていた為に、

事件自体を五時間目の大内に知らされるまで

気づいていなかったのであるから、

瀬田の驚きは相当なものだったろう。



そうして、

生徒たちは五時間目で強制下校。

部活は無しになり、教員は職員会議。

瀬田も事件が知らぬ間に大きくなっており、

どうしたものかと困り果てていた。


職員会議も途中で、トイレに行くと断って席を立った。

そんな中、印刷室で聞き耳を立てている生徒二人を見つけた。

一人は顔が見えないが、もう一人は二年の杉崎だとわかった。

どうせ遊び感覚で探偵ごっこでもしているんだろう。

脅かしも含めて、少し色が黒っぽくなった赤ペンで

席替えなどで使う為に普段から持ち歩いているトランプに

「深入りするな」と書き、杉崎の下駄箱に突っ込んでおいたのだ。



その後、教員総出で校内を探し回ろう、という案が出た。

流石に事が大きくなるのは不味いので、

瀬田は恐る恐るといった様子で真相を職員室で話した。

鈴木からすれば先輩の瀬田だが彼自身まだ新米の教師である。

その時の心境は穏やかではなかっただろう。



そんなこんなで、

他の教員は各家庭に連絡を回し、

失踪事件に関しては解決していた。


高嶺や鶴井梓の家にも連絡は行っていたが、

細山や鈴木との接点もそんなに無いこともあってか

両方の親がそのことについて話すことを失念していたのだろう。



そんな事になっているとは露知らず、

俺や梓は学校に来たのであった。




鈴木の話が終わり、

俺たちは黙り込んだ。


すると梓が「あっ」と

何かに気づいたかのように小さく呟いた。


「どうした?」


と聞くと、梓が俺に向かって疑問を投げかけてきた。


「杉崎君ってのはどうなったの?」


「・・・?・・・・・・あぁ!」


思い切り忘れていた。

元はと言えばあいつが失踪事件だとか

色々と言って来たじゃないか。

そう言って本人が失踪してちゃ世話ない。



「それは俺から説明しようか」


俺と梓の頭に疑問符が三つほど浮かんだ頃、

俺たちが入ってきたドアから瀬田が顔を出した。

後ろには杉崎が続いてきている。


「杉崎! お前、瀬田先生と一緒だったのか」


「おう、高嶺。お前なら来てくれると信じてたぜ!」


「一体、何があったんですか?」


再開の喜びを投げキッスで表現している杉崎を

無視して瀬田に話かける。

すると、瀬田は飄々とした感じで


「いやなに、

お前らが教科書を取りに来る前に杉崎が来てな。

一回目は追い返したんだが、

その後にもうろうろしてたもんだから、

生徒指導室でしょっ引いてたんだよ」


瀬田はハッハッハと笑っていたが、

杉崎はウンザリと言った面持ちだった。

それから杉崎は俺に向かうと聞いてきた。


「ところで、高嶺よぉ。俺の携帯持ってる?」


「あ、あぁ。階段に落ちてたぞ」


「マジで! 良かったぁ~。

瀬田に追われてる時に失くしたから困ってたんだよ。」


事件だと思っていた杉崎は

追われたときに俺へSOSを送ったそうだ。


それが「やばい」ね・・・。




終わってみれば、

ちょっとしたこじれが重なり合った結果、

小さな事件ともいえないような事件が

大きな事件のように見えてしまった。



案外、

君たちの周りにも、

気付いていないだけで、

事件で溢れてるのかも知れない。



終わり



















終わりました。

20話で終わるとか超嘘でしたね。

いやまぁ、行き当たりばったりなんで

嘘とか無いんですけどね。



さて、

次は新しい物語となります。

きっとまた

行き当たりばったりでしょう。



それも良いよね、人間だもの。 K





Yです。

前回Kが更新してから、

2ヶ月以上経ってしまいました。

リアルが忙しいとか

そんな次元じゃなくなってきた気がします。



では、本編をどうぞ

















梓を追って俺は茶道部部室に入った。

心配した警報はどうやら鳴らなかったようだ。

無事進入できたことには安心したが、

この学校の防犯対策には些かの不安を覚えた。





「きょーちゃん、早く行こうよー」


「あ、あぁ」



部室内を見回していた俺は、

既に廊下へ繋がるドアに手を掛けている梓のもとへ向かった。







「でさ、きょーちゃん」



案の定、部室のドアが外側から施錠されていたため、

適当な小窓を開けて廊下へ出た俺達は、

学校の隣にあるゴルフの打ちっぱなし場の照明に照らされながら、

北棟の廊下を東に歩いていた。



「私達どこに向かっているの?」



さっき人を急かしておいて、

今更それを言うのか、こいつは。


「職員室」



そう回答した俺は、

これから叫ばんとして大きく開かれた梓の口を即座に押さえた。

こんな夜の学校なんかで叫んだら、

絶対、校舎の隅々まで響きわたる。

それは困る。



「頼むから静かにしてくれ」



梓はコクコクと首を縦に振った。






「でも、大丈夫なの?職員室なんか行って」



解放された梓の口から出た第一声。

さっき凄い音がしたじゃない、と首をかしげる。


俺は、自分の選択があっている、

という確証があったわけではない。

ただなんとなく、職員室に行ってもいい気がした。



「たぶんな」









東棟の2階まで上がってきた俺達は、

職員室の扉の前で立ち止まる。


俺はゆっくりと、扉に手を掛けた。




そして一気にスライドさせる。








目の前のソファーに腰掛けた2つの影。



俺は彼らに、声をかけた。






「  ――――――  」









どうも、Kです。

リアルの方が、忙しくなってきました。

ついでにこの話は20話完結予定。

しかし、予定は未定。


・・・終わるかな?


では、本編をば、、
















「つまりだ」


俺は一度、唇を舌で舐め、湿らせる。

・・・と、その時、ドスンという

何か重たい物を落としたかのような音が聞こえた。

俺達は、校門から中へ少し入った昇降口付近にいた。

そして、昇降口の真上にあるのは職員室だ。

音はその職員室から聞こえた様である。


「い、今の、むぐぅ」


俺は、梓の口を押さえる。よくよく考えてみれば、

職員室の真下で喋るなど愚の骨頂だ。

今までの会話も上にいるであろう先生に

聞かれていないとも限らない。


俺は声のボリュームを下げ、

梓に「後にしよう」と言いつつ手を離す。

そして、昇降口から構内へ――




――入るつもりだったのだが、

当然のように、扉は固く閉ざされている。

確か、梓の話じゃ

九時頃まで開いてるんじゃなかったのか?


って、当たり前か。

九時頃まで開いていたとしても、

それは、残っているのが先生であって、

生徒は全員帰っている。

なら、生徒用の昇降口は開いているはずがない。
梓の教科書を取りに来た時に瀬田に会った。

たぶん、あの時に鍵を閉めて回ってたんだろう。


昇降口から靴箱までの通行を遮断する扉。

そこで立ち往生していると、梓が小声で話しかけてきた。


「まさか、入れない・・・とか?」


「・・・Yes」


良い発音で返せたと思う。

しかし、梓は呆れ顔をしていた。

これは恥ずかしい。


「はぁ、抜け道から入ろうか」


梓の助言が、

どうしようもなく哀れな俺を救ってくれた。


「え、抜け道なんて、あんのか?」


そんなの聞いたこともない。


「きょーちゃん知らないんだぁ。結構、有名なのに~」


こら、声が大きいだろ!

にしても、そんなモノがあったとは。

帰宅部の人間の学校に対する

情報量の少なさを露呈してしまった。


「知らないわ。教えてくれ」


「えーっとね、北棟の部室・・・

そうそう、茶道部の窓が一つ開いてるのよ!」


ほぉ、茶道部ねぇ。

そんな所に部室があることさえ知らんわ。


「よし、行こう」


俺は梓を後ろに率いて、

その部室があるという場所まで

慎重に歩いて移動した。




窓の前まで着いた。そこには丁度良く

大きな樹が立っており窓を隠していた。

俺は取っ手に手をかけて横にスライドさせる。


ガラガラ・・・


「お、開いたな」


「さぁ、入ろ。きょーちゃん!」


・・・ん?

待てよ。こういう部室って、

侵入者用の探知機が

付いてるんじゃないだろうか。


「なぁ、梓。このまま入って大丈夫なのか?」


「え、なんでぇ?」


「いや、部室って探知機とか付いてるんじゃないか」


梓は、その声を聞くと、固まった。


「う、う~ん。大丈夫なんじゃないかなぁ~」


明らかに目が泳いでいる。

こりゃ、ダメじゃないか。

高嶺は梓から目を離し、

部室の内部を覗いてみた。


床は、畳だ。

隅には、湯のみと電動のポットが置いてある。

それに、お菓子の袋がいくつか転がっている。


ふと、上に目を向ける。

何か紙の様な物が天井の一角を覆っている。


「梓。あれって探知機を・・・隠してる?」


「えー? わぁ、本当だぁ。これで入れるね!」


おいおい、

紙で隠しただけで大丈夫なのか?

俺は、少しばかりの不安を残しつつも

サッサと入ってしまった梓の後を追った。




To be continued…