1989年(第62回)アカデミー作品賞ノミネート作品 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~

 

『いまを生きる』 ★★★★★★★ (7/10)

『フィールド・オブ・ドリームス』 ★★★★★★★ (7/10)

『マイ・レフト・フット』 ★★★★★★★ (7/10) 

『ドライビング Miss デイジー』 ★★★★★ (5/10) -受賞作-

『7月4日に生まれて』 ★★★★★ (5/10)

 

『いまを生きる』は青春物の名作と言える作品。原題はロビン・ウィリアムズ演じる教師ジョン・キーティングがウェルトン校在籍時に結成した読詩サークル名の『Dead Poets Society』だが、邦題はキーティングが言う「Carpe Diem カルペ・ディエム」の日本語訳。珍しくよく考えられた邦題。

 

『フィールド・オブ・ドリームス』も野球映画というジャンルでは上位に来るべき作品。「If you build it, he will come.」というセリフが耳に残っている。主演ケビン・コスナーは主演男優賞にノミネートされず。当時はまだ大根だったトム・クルーズですらノミネートされているのに、役者としては評価されていないということか。『ダンス・ウィズ・ウルブズ』を監督し、翌年のアカデミー賞で作品賞と監督賞をW受賞して溜飲を下げたことだろう。

 

当時のトム・クルーズは、まだ目を見開いて圧のある口調の一本調子の演技だった。『トップガン マーヴェリック』を観た時には、随分と演技に深みが加わったことを感じたが、『7月4日に生まれて』で主演男優賞にノミネートされながら、『トップガン マーヴェリック』で主演男優賞にノミネートされないというのは納得がいかなかった。第95回アカデミー作品賞ノミネート作品の中では『TAR/ター』の出来が頭一つ抜けていたが、受賞の行方を占っている時には「主演男優賞にノミネートされなかったトム・クルーズが、作品賞を受賞してプロデューサーとして壇上に登場するかも」と思っていた。発表当日、会場に顔を見せなかったことでその予想は外れたことは早々に理解することとなった。ちなみにこの年の主演男優賞は『マイ・レフト・フット』のダニエル・デイ・ルイスが受賞。唯一主演男優賞を3回受賞している彼の初受賞がその作品だった。

 

作品賞受賞は、ブルース・ベレスフィールド監督の『ドライビング Miss デイジー』。当時の差別意識の認識としては受け入れられる作品だったということだろう。それから四半世紀以上経ると、見かけ上は黒人と白人の立場が入れ替わっていても結局は白人が黒人を救うという構図は変わらない『グリーンブック』(2018)の作品賞受賞の瞬間にスパイク・リーが怒って席を蹴って出ようとしたように(その場でなだめられて退場することはなかったが)、差別意識の認識が変化していることが興味深い。