『ドライビング Miss デイジー』 (1989) ブルース・ベレスフォード監督 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~


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偏屈な老婦人(ジェシカ・タンディ)と初老の黒人運転手(モーガン・フリーマン)のストーリーであれば、展開は端から予想される。その予想は裏切られることはないものの、この作品の重要なポイントは、気難しい老婦人が運転手に辛く当たることが全く人種差別に根ざしていないこと。さすがにアメリカ映画だけに、その点には注意が払われていると思われる。そして、老婦人も差別の対象であるユダヤ人という設定が重要である。

 

老婦人が運転手を毛嫌いするのは、自分が金持ちでスノッブな人間だと思われたくないからという理由なのだから、運転手が黒人でなくともよい設定なのだが、1940年代から50年代の南部アメリカ(ジョージア州アトランタ)という設定から、運転手は黒人が就く職業とされていたのだろう。そして二人が乗る車を職務質問で止める白人警官の態度から、黒人もユダヤ人も共に差別の対象であることが伺えた。

 

老婦人の息子(ダン・アイクロイド)は黒人に対しても実に寛容で、全く偏見など持ち合わせていないことが見て取れるが、母がマーティン・ルーサー・キングの集会に行く際には、地元の名士として、ビジネスの相手から後ろ指を指されることを懸念して同行しないことを決める。そして、その集会でマーティン・ルーサー・キングの行った説教の「世の中を悪くしているのは悪人の悪行ではなく、善人の無関心だ」というメッセージがこの作品の重要なテーマ。

 

人種差別というアメリカの持つ病巣に対する批判を、コミカルでハートウォーミングなストーリーに包み込んだ佳作。あくまで予定調和的ではあるが、誰しもが楽しめる上質なエンターテインメント作品と評価できる。

 

★★★★★★ (6/10)

 

『ドライビング Miss デイジー』予告編

 

近年のアカデミー賞作品賞受賞作の個人的評価

 

1989年 『ドライビング Miss デイジー』 ★★★★★★ (6/10)

1990年 『ダンス・ウィズ・ウルブズ』 ★★★★★★ (6/10)

1991年 『羊たちの沈黙』 ★★★★★★★ (7/10)

1992年 『許されざる者』 ★★★★★★★ (7/10)

1993年 『シンドラーのリスト』 ★★★★★ (5/10)

1994年 『フォレスト・ガンプ/一期一会』 ★★★★★ (5/10)

1995年 『ブレイブハート』 ★★★★★★ (6/10)

1996年 『イングリッシュ・ペイシェント』 ★★★★★★★ (7/10)

1997年 『タイタニック』 ★★★★★★★ (7/10)

1998年 『恋におちたシェイクスピア』 ★★★★★ (5/10)

1999年 『アメリカン・ビューティ―』 ★★★★★★★ (7/10)

2000年 『グラディエーター』 ★★★★★★★★ (8/10)

2001年 『ビューティフル・マインド』 ★★★★★★ (6/10)

2002年 『シカゴ』 ★★★★★ (5/10)

2003年 『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』 ★★★★★ (5/10)

2004年 『ミリオンダラー・ベイビー』 ★★★★★★★ (7/10)

2005年 『クラッシュ』 ★★★★★★ (6/10)

2006年 『ディパーテッド』 ★★★★ (4/10)

2007年 『ノーカントリー』 ★★★★★★ (6/10)

2008年 『スラムドッグ$ミリオネア』 ★★★★★★★★★ (9/10)

2009年 『ハートロッカー』 ★★★★★★★★ (8/10)

2010年 『英王国のスピーチ』 ★★★★★ (5/10)

2011年 『アーティスト』 ★★★★★★★ (7/10)

2012年 『アルゴ』 ★★★★★★★ (7/10)

2013年 『それでも夜は明ける』 ★★★★ (4/10)

2014年 『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』 ★★★★★★★ (7/10)

2015年 『スポットライト 世紀のスクープ』 ★★★★★★★ (7/10)

2016年 『ムーンライト』 ★★★★★ (5/10)

2017年 『シェイプ・オブ・ウォーター』 ★★★★★★★★ (8/10)

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