1991年(第64回)アカデミー賞作品賞ノミネート作品 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~

 

『バグジー』 ★★★★★★★ (7/10)

『羊たちの沈黙』 ★★★★★★★ (7/10) ー受賞作ー

『美女と野獣』 ★★★★★★★ (7/10)

『JFK』 ★★★★★★ (6/10)

『サウス・キャロライナ/愛と追憶の彼方』 ★★★★★ (5/10)

 

この年のノミネート作で圧倒的にポピュラーなのは受賞した『羊たちの沈黙』だろう。「観てから読むか、読んでから観るか」では個人的に圧倒的に前者なのだが、それは映画好きとして映画をより楽しむためにイメージを固定したくないから。そして、2時間前後の尺に収めなければならないという映画の制約に対し、原作小説は量的にもあるいは想像力の自由度的にも有利であり、映画を観てから原作小説を読んでの落差(がもしあれば)より原作小説を読んでから映画を観ての落差の方が経験的に大きいから。端的に言えば、映画よりも原作小説の方が面白いことの方が多い(勿論、ジャンル的な問題があり、原作小説を読んでみたくなる映画のジャンルにおいてはということ)。自分にとってその例外が『羊たちの沈黙』。トマス・ハリスの原作は文句なく面白いのだが、その原作小説の面白さを凌駕するだけのよさがジョナサン・デミ監督の映画化作品にはあった。監督の手腕であり、クラリス・スターリング役のジョディ・フォスターとハンニバル・レクター役のアンソニー・ホプキンスの演技によるところが大きいことも言うまでもない。

 

また『美女と野獣』は歴代のウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ制作の作品としては個人的ベストの作品。1946年のジャン・コクトー監督版、2014年のクリストフ・ガンズ監督版2017年のビル・コンドン監督版らの実写版もよかったが、それよりもこのアニメの方が上。ミセス・ポットが歌うテーマソングに合わせてベルとビーストが踊るダンスシーンは忘れられない。

 

と、強力な作品がノミネートされた年だが、個人的ベストはバリー・レヴィンソン監督『バグジー』。禁酒法下のマフィアからラスベガスにカジノホテルを建設(「フラミンゴホテル」)する実在の人物ベンジャミン・シーゲルをモデルとした作品。ネバダ州の砂漠の情景が美しい、彼と売れない女優ヴァージニア・ヒルとの恋愛物語。主演の二人はウォーレン・ベイティとアニット・ベニングが演じている。ハリウッドきってのプレイボーイと浮名を流したウォーレンだったが、この作品公開の翌年アニットと結婚し、年貢を納めて現在に至っている。