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フランスの説話『美女と野獣』が映画化。
ホラー映画は人によって作品の好みが分かれるが、ゲームにインスパイアされた作品に面白いものがあるように思う。『バイオハザード』しかり、『サイレント・ヒル』しかり。その『サイレント・ヒル』を監督したクリストフ・ガンズが、この有名な作品を監督。
CGを多用した映像は幻想的で美しい。夜のシーンや蝋燭を照明とする城の中のシーンが多く、全体にダークなトーンだが、水や鏡といった透明感のある物質が蠱惑的に光る演出は効果的。
『マリー・アントワネットに別れをつげて』のレア・セドゥが美女役。野獣役は、マチュー・カソヴィッツ監督『憎しみ』、ヤン・クーネン監督『ドーベルマン』、最近ではダーレン・アロノフスキー監督『ブラック・スワン』といった作品で印象的な演技をしていたヴァンサン・カッセル。非常に魅力的な配役と言える。
映画の出来としては上々。しかし、「子供から大人まで楽しめる」としたのであろう、ターゲット層の絞り込みの甘さが若干演出に子供っぽさがあるのが残念。ハリポタやナルニアのようなファンタジーと変わらぬ印象。美女が少女から大人になる処女喪失という、物語に存在しているテーマをもっとうまく題材化できなかったのかと思う。
そしてこの映画では、王子が野獣となる呪いがオリジナルとは異なっているが(オリジナルは魔女の恨みを買う、映画では愛する森の精を殺す)、それは野獣が美女に恋をする恋愛物としては納得いかない。
あまりうるさいことを言わなければ楽しめるのだろうが、それならディズニー作品で十分。惜しい感じ。
★★★★★ (5/10)
『美女と野獣』予告編