親子三代に亘るドラマを描いた台湾映画。

 

フイ・インは母親が亡くなった後、彼女の遺骨を入れ墓参りが容易にできるよう、遠く離れた田舎にある父親の墓を近くに移すことにした。しかし、その村に住む彼の最初の妻はそれを許さなかった。彼らのいざこざは村人全体を巻き込む騒動になる。フイ・インの娘ウェイウェイは、テレビ局で働いていたが、その騒動を収めた動画を同僚に見せたところ、いい番組の題材になると言われ、母と祖父の妻とのいさかいがテレビの番組で紹介されることに。

 

監督は主演のフイ・インを演じている。脚本も彼女によるもの。このストーリーがなかなか興味深い。何分中国の昔のことなので、戸籍も残っていない。墓を動かす、動かさせないというためには、お互い婚姻届を入手しようとするのだが、役所仕事の隙間に落ちて、いろいろたらい回しされたり、あの書類が必要、この書類が必要と、苦労する様がいかにも中国らしくて(日本も似たようなものかもしれないが、役所ももう少し誠意があるように感じる)面白かった。

 

ストーリーが展開すると、最初の妻が夫と一緒に住んでいたのはわずか6か月だということを知る。そして夫は都会に出稼ぎに出たまま、時々手紙が届くだけで帰ってこず、次に帰ってきたのは死んでから亡骸となってからであり、60年以上も後のことだった。わずか半年の夫婦生活をしただけの相手を半世紀以上待ち続け、そして生きて会うことはなかったのに、その墓を守ろうとする老女。その老女に、母親との確執もあり、ウェイウェイは心を寄せるようになる。母を失い、そして娘まで離れていくフイ・インの孤独(夫との関係もうまく行っているとは言えない)。

 

そうした家族間の愛憎が複雑に絡み合い、そしてほぐれていく。大げさなドラマはないものの、じんわりと心に沁みる作品だった。

 

観る機会があれば是非。観て損はない。

 

★★★★★★ (6/10)

 

『相愛相親』予告編