『レヴェナント:蘇えりし者』 (2015) アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~



『レヴェナント:蘇えりし者2回目観賞。

2ヶ月前に観た時と驚くほど印象は変わらなかった。それはこの作品がストーリーの面白さに拠っているわけではないから。

トム・ハーディの英語は聞いてもほとんど分からないので、字幕があると助かるが、そうでなくても映画の理解には問題なし。映像の半分以上がディカプリオが一人で、セリフなしという作品だから。

絶望的な苦境の中で生に固執するヒュー・グラス(ディカプリオ)。彼を支えたのは何かが、2度目の観賞の焦点だった。トム・ハーディ演ずるジョン・フィッツジェラルドが、最後に「復讐を楽しむがいい。それでもお前の息子は帰ってこないぞ」と言う。それを聞いても全く動じることがないグラスを支えていたのは、単なる復讐だけではなかったのだろう。「なされるべきことはなされなければならない」というある種の使命感だったのではないだろうか。だからこそ「復讐は神の手に」という心境にもなれるのだろう。

イニャリトゥはこの作品でオスカー監督賞を2年連続で獲得という偉業を成し遂げたが、作品の出来は『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』より上なのだから、驚きもしないか(とはいえ、昨年度の監督賞は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のジョージ・ミラー監督にあげたかった)。

ディカプリオの演技は完璧。但し、6週間の過酷な旅を経た割には肉付きがよかったのだけが難といえば難。とにかく今年観るべき映画の筆頭であることは間違いない。

★★★★★★★★ (8/10)

『レヴェナント:蘇えりし者』予告編