『Crushed (原題)』 (2015) ミーガン・リアコス監督 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~



ワイナリーの経営の問題が殺人事件に発展するかなり珍しい設定の、2015年製作のオーストラリア映画。タイトルは、ワインの醸造過程のブドウ果実の圧搾から来ている。

エリアは100年以上家族経営が続くワイナリーの当主の娘だったが、ある事件をきっかけにワイナリーを離れ、都会でワインバーを経営しようとするビジネス・ウーマンだった。彼女の元に父の死が伝えられ、久々にワイナリーに戻って知ることになるのは、事故死と思われた父の死は、実は他殺であったということ。その犯人として容疑をかけられたのは母であった。エリアは真実をつきとめようとするが、ワイナリー経営の背後には、意外な真実が隠されていた。それを探るエリアにも危険が及ぶことに。

オーストラリアのワイナリーの風景が美しい映画。栽培や醸造のシーンもところどころ挿入され、ワイン・ラヴァ―にはちょっとしたおまけ。モンサント社を思わせる、バイオ化学メーカーのスキャンダルもからんで、設定に新奇さを狙うところは評価できる。

ミステリー満載で最後まで緊張感があったが、その結末はあまりに意外過ぎて、「それはないだろう」感一杯。

公開は"Women in Film Festival"という小さな映画祭でのもので、バンクーバーでも公開は1回だけというマイナーな映画。監督の講演付だったが、監督(兼脚本、兼プロデューサー)は若い女性。「女性を主役とする映画祭」だけあって、主人公のエリアはタフだが、そういう女性は、男性関係においても主導権を握るということも、ちょっと興味深かった。

日本で観る機会は少なそうだが、敢えて探してまで観るレベルではない作品ということで。

★★★★ (4/10)

『Crushed』予告編