詩を藍色の鉛筆で書いていた 山村新一
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ここにいるということ

ここにいて

あそこにいない

それは すごいこと

 

いつの間にか ここにいて

ここで生きてゆく

 

ここにいるということ

ここにいるということ

 

いつの日か

ここにいなくなるということ

時が ある

三週間に一度 

点滴による抗がん剤投与がある

 

その後

副作用がいろいろ やってくる

薬が効いているからだ

と思って耐えるのだが

 

もう勘弁してくれよ と

心が折れそうになる 時が ある

祈る

祈る

祈る

祈る

 

それでも

祈る

 

それでも

それでも

それでも 

祈る

祈るしかできないのだ

虹が出る時は

きっと

僕の中にも

虹がかかっている

 

そんな時

泣いたら

虹色の 涙が出ると思うのだけれど 

眠れない時は

眠りに入れない

 

眠れない時は

一度 起きて

眠れない と

書いてみると いい

みたい

 

おーい 眠れないよぉ!!

眠りたいのに

眠れないよぉ!!

この さみしい おもい

 

ふとした とき に 顔を出す

この さみしい おもい

は 何でしょう

生まれたとき から あったような 

この さみしい おもい は

 

すると

「犬に話しかけていた ひと ですね

木に話しかけていた ひと ですね

星に話しかけていた ひと ですね」

 

と いう声がしました

 

「大丈夫

さみしい 

を 抱えている ひと

は 大丈夫

さみしい は うれしい出会い

を 育む 

こころ の 種

大事に育てれば

たくさんの笑顔の花が咲きますよ」

 

とても やさしい声でした

 

 

 

 

                 

詩「祭りの夜」

 

年に一度の

祭りの夜です

みんな笑顔で

歩いています

 

にぎやかに

屋台の灯りが 

続きます

空には

満月が出ています

 

でも

笑顔の行列の 背後に

静かな葬列が 続いているのは

なぜでしょう?

 

「じゃあ また 

祭りの夜に 会いましょう」

そんな約束をしたくなるのは

なぜでしょう?

夕焼け

今日も一日 

お疲れさまでした

空いっぱいに

響き渡る

いつもの口上

 

さあ どなた様も

しばし ご観覧あれ

夕焼け劇場

始まり

はじまり〜

 

子供の頃 みた あの夕焼けが 

忘れられないから

限りなく やさしい 

いのちの揺りかごのような

生きる力を育む 海のような

夕焼けを

描きたい と

夕焼け作家になりました

 

この空のどこかに いる

いま さみしさ に

ふるえている あなたへ

 

これが 今日の 

夕焼けです

詩「雨粒」

傘の先から

ぽっつんと落ちた

 

生まれたばかりなのに

もう自分の役割がわかっていた

一粒の

あまりにも短かい

一生

 

キラキラしていた

ほんの少しの躊躇いもなく

それは

最初で最後の

見事なダイブだった

 

 

 

 

 

 

 

 

詩「雨が」

雨が 叫んでいる

雨が 叫んでいる

 

ここに いるよ

ここに いるよ

 

雨が 地球を

抱きしめている

 

雨が いのち 

を 抱きしめている

 

つよく

やさしく

 

雨が 降っている

雨が 降っている

 

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