詩を藍色の鉛筆で書いていた 山村新一 -2ページ目

詩「それだけのことが」

びしょ濡れになるような

雨がふっている

 

それだけのことがあったんだよ

詩「涙」

ながれて

ぬれて

ふれて

 

初めて

泣いていたことに 気づく

 

涙 も 

ある

詩「夕焼けチャイム」

また あしたね

帰っていく子供たち

 

あの日々 一日のほとんどを

介護ベッドで横になっていた

母も 聞いていた

夕焼けチャイム

 

また あした

うん また あした

 

また あした 遊ぼうね

詩「石は」

アリがゾロゾロと通るので

くすぐったいのだが

石は

身をよじってふり落とすこともできず

 

にぎやかに過ぎる

一瞬のいのちの行進

 

黙って見ていた

「岩は」

そのとき息子が何て言ったのか

「生きてる」だったか

「動いてる」だったか

言われて改めて見てみると

川辺の水の流れを透かして見える岩が

息をしていた

水が寄せると ふくらみ

水が引くと しぼむ

 

それまで岩に打ち寄せる波を見ていたのだが

目をつむって 波音を聞いていたのだが

「本当だ 生きてるみたいだね」

大きな心臓が

ふくらみ しぼむ

を繰り返していた

 

キミがまだベビーベッドに寝ていたときのこと

ふくらみ しぼむ

ふくらみ しぼむ

キミの胸を見て 父は

その度にホッとしたもんだよ

詩集「まっすぐないのち」発売日です。

二転三転した発売日でしたが、やっと発売日を迎えました。

詩集「まっすぐないのち」山村新一

どうぞよろしくお願いします。

 

「まっすぐないのち」

 

まっすぐな いのち

抱きしめよう

 

まっすぐな いのち

 

まっすぐな 

いのち

 

抱きしめるしかないじゃないか

詩集の発売日が7月7日になりました。

詩集「まっすぐないのち」の発売日が延びて、7月7日に変更となりました。もしご注文いただいた方がいらっしゃったら、スミマセン、それまでもう少しお待ちください。

よろしくお願いします。

詩「いつになったら」

緑が

風に そよぐように

花が

風に ゆらぐように

私たちも

うまくやっていけないものか

 

時々 いろいろ 

こんがらがってしまうのは

心が あるから?

言葉が あるから?

 

こころ と ことば

ひらがなで書くと

やさしい表情になる けれど

やさしい こころ

やさしい ことば

になったとしても

こころ も ことば も

ひとすじなわでは いかないのです

 

わかりあうために 必要な

こころ と ことば なのに

あるからこそ

すんなり わかりあえない ということも

 

一体いつになったら

うまく使えるようになるのでしょう 

詩「歌でおしゃべり」

ピッピッピ ピピピ ピピー

何て言っているのだろう?

小鳥たちは

 

きょうは いいてんき

でも いいてんき すぎて

あつくて

たいへん!

 

あそこの き

あなたの すきな たべものが 

たくさんあったわよ

 

そんな

私たちと変わらない 

あれや これや

 

ピーピッピ ピーピッピ ピピーピッ

 

小鳥の世界では

毎日の会話

ミュージカルのようですよ

詩「ウォンウォン」

いきなり吠えられた

坂を上っている間 両隣の家々から

犬の合唱だ

吠えられたからには

吠え返してやろうかと思ったのだが

声がノドもとまであがってきていたのだが

家の近くでもあるし と思い

吠えることを思いとどまったのだ

 

だが悔しさが残った

吠えられたら

吠え返す権利があるはずだ

いつか 変装をして 声を変えて

ありったけの声で 

ウォンウォン

ウォンウォン

ウォ〜ン

ウォ〜ン

と吠えてやろうか