ホウレン草
先週の土曜日、第93回全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)は西東京代表の日大三高が11-0の大差で青森代表の光星学院に勝ち、見事に全国制覇を成し遂げ、無事に15日間の日程を終えました。
今日はその日大三高と2回戦で対戦して、8-11と敗れはしたものの、見事な戦いぶりで王者を大いに慌てさせた島根代表の開星高校のキャプテン・安田諒平くんにスポットを当てて今回は書いてみたいと思います。
開星高校は今年度限りで教職を退職され、同時に監督も退任されることになっている野々村直通監督の下、エース・白根尚貴投手を擁して島根大会を勝ち上がり、甲子園大会に駒を進めてきましたが、甲子園での試合の前にレギュラーキャッチャーの飯塚祥一くんがケガをしてしまい、試合に出ることができなくなってしまうアクシデントに見舞われてしまいます。
そこで野々村監督はキャプテンである安田くんにキャッチャーを任せることにしたんです。
安田くんはエースの白根くんと以前にバッテリーを組んだことがあったようなんですが、何せ甲子園の全国大会では初のバッテリー。不安は確かにあったと思いますがこの「急造バッテリー」は固い「絆」で結ばれていました。
その、固い絆が育まれた理由は、今年の春から安田くんは白根くんの家に寄宿していて、兄弟のような生活を送っていたからなんです。
白根くんの家で下宿するようになって、安田くんはそれまで嫌いだったホウレン草を食べられるようになったそうです。
そのこともあって、キャプテンとエースの「絆」がより強まったのかもしれません。
甲子園では、その「兄弟」は「夫婦」となって、ほんとうに堂々と戦いました。
ちなみにこの「ホウレン草」のエピソードはABC朝日放送で長年にわたって高校野球を始めとしたスポーツ実況に携わっておられる中邨雄二アナウンサーの実況を聴いて知りました。
僕はこのエピソードをラジオの実況中継で聴いて、中邨さんの実況のおかげでこの「急造バッテリー」が急に身近に感じられたんです。
スポーツ実況は現場で起きている事象を的確にわかりやすく伝えることが大切であり、基本ではありますが、その選手の人となりを中継のなかで紹介してもらうことによって、僕たち視聴者(聴取者)はその選手に対して自分の感情を移入して、より深く試合が観戦できるように僕は思います。
スポーツ中継に携わるアナウンサーの皆さんには、こうした「サイドストーリー」にも目を向けた中継放送を期待したいと思います。