one love ②
ホントなら、たった一人のかけがえの無い人を…ずっと好きで愛し続ける…そんな穏やかで、たおやかな毎日を…おれは送りたかった…。
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あの土砂降りの夜、気がついたらおれは、見知らぬ二人連れにタクシーに乗せられて、降りるところだった。
何処に連れて行かれて、何をされるのか…と、かなり危惧したが、それは杞憂に終わった。
二人は、まだ若いようだった。
特に一人は、まだあどけなさを残した少年のよう。
もう一人も、大人びた顔立ちはしているものの、大して変わらない感じ。
おれは、心底ホッとした。
どうやら此処は、少年の持ちものらしく、勧められるがままに、おれはシャワーを使わせてもらった。
かろうじて、下着は付けていたけれど、おれはほぼ半裸で、しかも結構な時間、雨に打たれていたらしく、温かいシャワーを浴びた途端、一気に寒気がした。
…もう少し、季節が進んでいたら、どうにかなってたかも。
けれど、むしろ…その方が良かったのに。
せっかくの少年たちの親切を、そんな風にしか思えない自分と、此処に至った自分の生き方が心底嫌になって。
おれは、シャワーに打たれながら、しばらく泣きじゃくった。
どれくらい、そうして泣いていただろうか…。
いつまでも、そうはして居られないので、おれはシャワーを終えて、浴室を出た。
脱衣室の籠の中にはバスタオルは入っていたものの…着ていた、シャツも下着も無い。
仕方なく、おれは腰にバスタオルだけを巻いて、廊下を歩いた。
あかりがもれて、話し声のする部屋のドアが半開きになっている…。
「…すみません、すっかりお世話になってしまって…」
少年は、明るくおれに声をかけた。
「大丈夫ですか?」
「…はい」
「着てらした服は…破れていたので、すみませんが、処分させていただきました」
「かまいません…」
「…服は、ボクのを着て下さい。あ、ボクはキム・ジュンスって言います。こっちは、シム・チャンミン」
「どうも」
チャンミンと呼ばれた大人びた彼が、慇懃に頭を下げる。
ジュンスに差し出された服を、無言で受け取ると、おれは部屋を出て行こうとした。
「…ジェジュン。キム・ジェジュン」
答えたおれの声に…一瞬の、彼の蔑むような眼差しと、視線の熱が気になった。
one love ①
ホントなら、満月が清らかに輝くはずの土砂降りの夜に…ボクは、一人の人間を拾っちゃった。
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ボクがその人を拾ったのは、ボクんちの別荘のある、とある海岸。
土砂降りの雨の中、幼馴染みのチャンミンと、傘をさしながら、とぼとぼ歩いている時だった。
「ジュンスには悪いけど…やっぱり無理だと思いますよ」
幼馴染みなのに、他人行儀な敬語で喋るのは、チャンミンのクセ。
子供に恵まれなかったチャンミンのご両親が、養子を迎えた途端、2年もしない内にチャンミンが生まれたとかで、小さな頃からご両親と義理のお兄さんに気を使って育ったから、そんな口調が習い性になってるんだって。
「それにユチョンさんの言う『夜釣り』は、ジュンスの思ってるようなんじゃあ無くて…」
「…判ってる。もう言わなくて、良いよ」
ぶんむくれで答えるボク…遊びに行った、別荘が在る町で知り合ったユチョンさんは、ボクよりちょっとオトナで…ちょっと危ない感じのする人。
だけど、柔らかな笑顔が優しくって、ボクにとってはかけがえの無い、素敵な人…なんだけど。
「…それに、ジュンスには悪いけど…ユチョンさん、あんまりマトモにジュンスの相手をしてない気がします」
そんなの、ボクが一番判ってる。
今夜だって、食事に誘ったのに『夜釣り』するから、ってやんわりと断られて…それでも諦めきれなくて、ボクはユチョンさんを探しに、海辺をウロついてる( ; ; )
そんなボクに、雨の中、付き合ってくれたチャンミン。
「帰りましょう、ジュンス。ご飯なら、ボクと食べたら良いじゃないですか…ジュンスの奢りで」
そんなチャンミンの優しさにほろっとして、ウンウン、と頷く。
ボクは傘に隠れて涙をゴシゴシ拭っって…ふと、気がついた。
お、奢りだって?
冗談じゃないっ!
ボクはケチじゃ無いけど、こいつに奢ったら結構な財政危機に陥っちゃう!
「ちょ、チャンミン!」
「さ、行きましょう!」
上機嫌で踵を返すチャンミン。
鼻歌を歌いながら歩いて行くチャンミンを追いかけようと、ボクも走り出したその瞬間…道端に、何かが在ることに気がついた。
「おい、チャンミン!」
「…何です?早く行きま…」
ボクの声に振り返ったチャンミンも、その何かに気がつく。
「…だいじょぶ、ですか?」
ボクは恐る恐る近づいて、声をかけてみたけど、答えない。
チャンミンが照らしてくれたスマホの灯りで見える何か…は人で…しかも成人男性。
薄着で…ってか、ほぼ半裸で、服は上半身しか着てなくて、しかもそのシャツは破れている。
その肌の上には、よく読めないけど…何かの文字や模様が、幾つも刻まれていた。
「酔っ払いですかねぇ…」
「判んない…けど」
「どうします?」
チャンミンはため息混じりに問いかける。
昔から。
ボクは捨てられてる犬とか猫とか拾っては…家に連れて帰ってママに叱られてた。
だけど、今回は違う。
けど…違わない。
コトは命に関わる、ってとこでは同じだもん!
「…チャンミン、タクシー呼んで」
「でしょうね」
チャンミンは、本格的なため息をついた。
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別荘に辿り着き、タクシーを降りるときにその人は気がついたみたいで。
少し足元が覚束なかったけど、自分で歩くことも出来、今はシャワーを浴びている。
「今夜は、僕も泊まりますよ」
「…ありがと」
お礼を言ったボクに、チャンミンが口の中で何をか呟いた。
何だ?
ちゃんとお礼言ってるのに…。
ボクが聞き返そうとした時、
かちゃり…。
「…すみません、すっかりお世話になってしまって…」
その人は、腰にバスタオルを巻いただけの姿で現れた。
「大丈夫ですか?」
「…はい」
「着てらした服は…破れていたので、すみませんが、処分させていただきました」
「かまいません…」
「…服は、ボクのを着て下さい。あ、ボクはキム・ジュンスって言います。こっちは、シム・チャンミン」
「どうも」
チャンミンが、慇懃に頭を下げる。
差し出した服を、無言で受け取ると、部屋を出て行こうかするから。
ボクは、慌てる必要も無いのに、焦って声をかけた。
「…あの」
「はい?」
ゆっくりと振り返る。
それまでずっと、その人を値踏みするように見ていたチャンミンが、静かな声で問いかけた。
「貴方名前は?」
「…ジェジュン。キム・ジェジュン」
その人は、ジェジュンと名乗った。
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そうなのか…。
実はお話を書いてみたいんだけど、終われる自信が無いから…と、悶々としておりまして。
けど…書いてみようかな。
過去のお話も、終われるように、頑張ってみようかな。


