勝利を食べて、合格鉛筆を買って、合格間違いなし? | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

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1月の間は新年の期間と言えますが、日本の受験生にとっては、すでに奮闘の時期に入っています。日本の新学期は4月に始まるので、大学や高校の入学試験は1月から3月の上旬にかけて行われるのです。この時期に日本へいらっしゃれば、受験生のための合格祈願の商品がたくさん売られているのを見ることができるでしょう。


商品には「合格」や「がんばれ」などの文字がついていて、とても面白いです。スーパーやコンビニで、さらには特別に販売コーナーを設けてこの応援商品を売っています。最初は、ネスレ社が2002年に売り出したチョコレート「KitKat」から生まれた風潮だと言われています。「KitKat」(キットカット)の発音が日本語の「きっと勝つ」に似ているので、多くの受験生がこの商品を買ってきてお守りとして身に付けたというわけです。これが次第に広まって話題になり、ネスレ社では翌々年から受験生向けの期間限定商品を発売しています。受験生自身が縁起がよいと言って買ってくる場合もあるし、両親が子供を励ますために買う場合もあり、市場はかなり大きいようです。現在日本国内の各食品企業は、毎年受験シーズンに様々な合格祈願グッズを発売して、利益を上げようとしています。もちろん、学問や受験関連の神社に参拝して、お守りや合格鉛筆を買う受験生もたくさんいます。


お菓子の他にも、DHAを添加したマグロパン、疲労を取り除くドリンク剤など、様々な商品があります。下着メーカーのワコールまで、受験生用のパンツを発売しました。これは保温性の高いウールを使っており、受験生が寒い時期にも耐えられ、特にお尻の部分にクッションがついているので、長い間座っていても疲れにくく、試験場で全力を出せるのだそうです。コーヒーメーカーも、「勝てオレ」というコーヒーを発売しましたが、これにはブドウ糖とカフェインが多めに入っていて、受験生が徹夜で勉強する時に眠くならないのだそうです。こうした商品を見ていると、日本の商人の頭の良さに感服しませんか?


以前は、受験生の合格を願って、試験の当日か前日に、お母さんが特別にカツ丼やカツカレーを食卓にのせたものです。日本語の「カツ」が「勝つ」と同じ発音だからです。その後専門家が、受験生に脂っこいカツを食べさせるとかえって消化が悪いと言い始め、最近では少なくなっているようです。受験生が家にいると、受験シーズンには家族のみんなが非常に緊張します。特に、「落ちる」「滑る」などの言葉(不合格と同じ意味になる)は、言わないように気をつけなければなりません。歩いたり話したりする時も静かにして、受験生の勉強に影響を与えないようにします。してはいけないことが多くて、1人の受験生に家族全員が疲れ果ててしまいます。ここで私からも、受験生のみなさんが入りたい学校に無事合格するようにお祈りいたします。それから、受験生のお母さんたちにも、「本当にお疲れ様です」と申し上げます。

Photo by 哈日杏子

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