ただ今、学生は夏の発表会に向けて作品制作に集中しています。

 

今日は①オールスタッフミーティング②本読み③立ち稽古といったプリプロ(プロ・プロダクション)を一気に進めました。




①のオールスタッフミーティングは文字通り、全スタッフが集まって準備状況を確認し合ったり、クランクインの日の段取りを決めます。
 

 

そこで一番重要になるのが、監督による、通称「所信表明」です。
 

 

なぜこの作品を撮るのか、何を表現したいのかをスタッフに向けてスピーチします。
 

 

監督によっては1時間以上話す人もいます。
 

 

スタッフの気持ちを一つにする重要な儀式です(笑)。
 

 

所信表明とはなかなかいいネーミングですね。


 

 

②の本読みは、俳優部が台詞を口にしながら、監督が感情の交通整理をしていきます。
 

 

その昔、演劇の世界では、脚本家や演出家の側が演出意図を説明するために読んだと言います。なかでもかの三島由紀夫はとても上手かったとか。




③はいわゆるリハーサルですが、スケジュールに追われるテレビドラマの世界ではなかなか出来ていないようです。


今日のポイントは②と③。
 

 

いざ、言葉にしてみたり、動いてみたりすると、描いていた画コンテが大きく変わるものです。
 

 

私はそれはしかるべきで、画コンテに合わせるのではなく、よりいい演技に画コンテを合わせるべきだと私は考えています。
 

 

極端に言えば、撮影中でも、画コンテの変更はありです。編集が終わるまで可能性は追求していきたいものです。



いよいよ来週は撮影ですね。
 

 

どこまでもこだわっていい作品を撮ってください!

本日の授業は『アルファチャンネル』

 

 

アルファチャンネルとは見せる見せないをコントロールできるチャンネルです

 

 

チャンネルとはカラーチャンネルとアルファチャンネルがあり、白黒で強さを表します

 

 

1ピクセルごとに設定されていて白が100%で黒が0%です

 

 

なかなか理解を深めるのに時間がかかる機能です

 

 

簡易的にコントロールしたい場合はマスク

 

 

複雑ならばアルファチャンネル

 

 

まずはそのくらいの感覚で使い分けられればいいと思います

 

 

アルファチャンネルを使いこなせるようになると、全ての素材が白黒に見えてきます

学生もがんばって企画を考えているのでくさしたい訳では無いんですが

 

「そこじゃないでしょ?」という部分にこだわって

 

悩んだり、迷走したり、途中で頓挫したりしがち

 

なので事前にボツになる危険性を知っておこう

 

 

 

 

1)好きな映画のコピーになってる

 

・負けたら死ぬゲーム 

… ゲームを考えるよりお話を考えてください

 

・格闘アクション 

… 好きなんだろうけどちゃんと動きつけられる?格闘経験ある?

 

・近未来 

… どのみちフィクション、むやみに世界を広げなくていいよ

 

 

 

2)テーマが大きすぎる

 

・本当の友情に気づく 

… 本当の友情って何、どんなものか説明できるの?

 

・家族のありがたさに気づく 

… 改めて言うことかね、大きなお世話じゃない?

 

・夢を信じることの大切さ 

… 漠然としすぎてる、言いたいことが不明瞭

 

 

 

3)中身がない、何も起こらない

 

・都会に疲れて田舎の良さに気づく 

… 年寄りじゃないんだから、もうちょっと建設的に

 

・失恋を経験し強くなる 

… 失恋で強くなるなんて嘘でしょ、段階をはしょりすぎじゃない?

 

・久しぶりにあった友達が眩しく見える 

… 転職を決意したり旅にでたり、解決が安直なんだよなあ

 

 

 

4)主人公が突飛、極端

 

・これから人を殺しに行くところ 

… そんな人の精神状態を表現できるのかい?

 

・広告代理店で働いている 

… だいたい他の職業に置き換え可能、必然性がないし共感できない

 

・妹が大好き過ぎて過干渉に 

… アニメの見すぎ、お話のメインに据えるにはお粗末かな

 

 

 

総じてリサーチ不足、インプットが足りないかも

 

凡百のアイデアを自分のオリジナルと思い込んでいる << これもインプット不足

 

一つの企画に固執しすぎ、捨てられないのも問題です

 

 

 

だから対策としては

 

・身の丈にあったお話にしよう! > バックグラウンドを理解していないと不自然になる

 

 

・日常をもっと観察しよう! > 「普通」が分からない人に「事件」は描けない

 

 

・ディテールにこだわろう! > 現実味をしっかりつけないと客は騙されない

 

 

・独自性こそ評価される > 流行りを追うより本質を大事に

 

 

 

 

特に言いたいのは「一世一代の大作を目指さない」こと!

 
絶対賞を獲ってやる!みたいな前のめりの姿勢は、好きです。
 
 
 
でも仕事を発注したくなるのは「ちょっとした作品がしっかり作れている」人
 
腕立てが出来ないのにベンチプレスを上げようとしない!
 
焦らずじっくりがんばりましょう〜(´ε` )
 
 
 

カチンコカチンコカチンコカチンコカチンコカチンコカチンコカチンコカチンコカチンコカチンコカチンコカチンコカチンコカチンコカチンコカチンコカチンコカチンコカチンコ

 
 
やりたいことだから頑張れる。自分を成長させられる。

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私の授業ではシナリオについても教えています。

 


とはいえ「書く」ことではなく、あくまで「スタッフとして読解できるか」を目的にしています。シナリオを本気で教えようと思ったら、1年ではとても足りないからです。



そういう前提ではありますが……
 

 

発表会に向けた制作では、監督になった学生がシナリオを書くので、その指導をしています。
 

 

今日の授業ではみっちりその時間を取りました。




映画の世界では多くの場合、プロデューサーと監督と話し合いながらシナリオライターが書きます。
 

 

乱暴に言えば、プロデューサーはお金や時間などの現実的な事情を考え、監督は自分の演出意図を考えています。

 

 

両者の帳尻を合わせつつも、自分の世界を織り込んで書き上げていくのがシナリオライターと言ってもいいでしょう。
 

 

シナリオライターの純粋なオリジナルなんて、コンテストに出すときのものぐらいしかないと思います。


ふと……
 

 

このようにシナリオはスタッフ側、そして観客の視点を反映しつつ書かれているのですが、演じる側のことを考えているのでしょうか?
 

 

「俳優はそこを読み取るのが仕事」みたいな風潮がまかり通っていると感じます。


そろそろその思考も変えていく時代ですよね。要は、俳優が読み取り考えやすいような書き方を考えましょう。


例えば、こんな台詞。


1.「そうなんだ」


2.「……そうなんだ」
 

3.「そうなんだ……」


2は台詞の【前】に何かの思い入れがあります。3は【後】です。


「……」を付けることで、その台詞が強調すべきものがあり、思い入れがあるという演出意図が明確に伝わります。


今日の授業では実験的ではありますが、こんなことを学生に伝えました。
 

 

これがどこまで上手くいくかは、来週の授業ですね(笑)
頑張っていきましょう!

 

本日の授業は『トラッキング、スタビライズ』

 

 

合成において必須の機能です

 

 

 

 

【トラッキング】とは「位置解析」

 

 

前後のフレームを比べてどのくらい位置の変化(ブレ)があるかを解析して、位置情報をデータ化します

 

 

【スタビライズ】とは「ブレを減らす」もしくは「ブレを無くす」

 

 

トラッキングしたデータを元におこないます

 

 

具体的には前後のフレームを比べた時に右に5ブレていたら、左に5動かしてプラマイゼロの状態にします

 

 

それを全てのフレームで行えばブレが止まります

 

 

両方ともAfterEffectsではトラッカーというウィンドウでおこないます

 

 

 

 

おすすめエフェクト「ワープスタビライザー」

 

 

このエフェクトを適応しただけでなんの設定も要らず自動でスタビライズしてくれます

 

 

どんどん便利になりますが元の仕組みを知らないと上手くいきません

 

 

適当に撮影して「上手くいきませんでした!」では仕事になりません

 

 

しっかりと仕組みを理解して便利な機能を使いましょう!