Romantique No.618 『POP SONGの魔法を信じるかい? Ⅱ 】。 | 『アデュー・ロマンティーク』~恋とか、音楽とか、映画とか、アートとか、LIFEとか~

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僕が過去と現在、ロマンティークと感じた(これから感じることも)恋や音楽、映画、アートのいろいろなことを書いていきます。

 

                    Adieu Romantique No.618

             『POP SONGの魔法を信じるかい? Ⅱ 』

                      

ほんの少し朝晩の暑さがマシになってきているような気がする(日中はまだまだ暑いけどね)。夏の終わりから徐々に秋の気配を感じるような、そんなごく短い季節に似合うロマンティックな音楽を(少々、無理があると思いつつ)、ということで前回から書き始めた『POP SONGの魔法を信じるかい?』の続き。


さて、と。今回は何から始めようかうーん


音譜1964年のアメリカで。ロジャー・マッギンジーン・クラークデビッド・クロスビークリス・ヒルマンマイケル・クラークによってデビューし、ディラン『ミスター・タンブリンマン』を本人のオリジナルよりカッコよくカヴァーして話題を集めたザ・バーズ【The Byrds】の、フォーク・ロックmeetsビートルズなシングル『ターン・ターン・ターン』【Turn ! Turn ! Turn ! 】


音譜同じくバーズの1966年にリリースされたアルバム『霧の5次元』【Fifth Dimension】からシングル・カットされた『霧の8マイル』【Eight Miles High】。アルバム・カヴァーにデザインされたバンド・ロゴがサイケデリックでめちゃくちゃカッコいい。


音譜もちろん。60年代のローリング・ストーンズ【The Rolling Stones】、つまり「Decca Records」時代の(アメリカや日本では長い間同じ系列の「London Records」のロゴが使われた)ストーンズも数多くの『POP SONG』をチャートに送り込んだ。まずは1965年に全英1位に輝いたシングル『サティスファクション』【Satisfaction】から。

音譜同じく1965年リリースの『一人ぼっちの世界』【Get Off Of My Cloud】

音譜そして1966年リリースの『19回目の神経衰弱』【19th Nervous Breakdown】という怒涛のイギリスでのリリース順通りで。


音譜同じくヒット曲が多いCCRことクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル【Creedence Clearwater Revival】の、1971年にリリースされたシングル『雨を見たかい』【Have You Ever Seen The Rain】。当時のアメリカではこの曲がベトナム戦争の反戦歌と捉えられ放送禁止に。にも関わらず曲は大ヒットを記録した。


音譜デニー・ドハーティキャス・エリオットが中心になり活動したママス&パパス【The MAMAS & The PAPAS】の、1965年にリリースされた2枚目のシングル『夢のカリフォルニア』【California Dreamin’】と3枚目の『マンデー・マンデー』【Monday , Monday】を両A面でリリースした日本オリジナルのシングル盤から。因みに『夢のカリフォルニア』は1994年にウォン・カーワァイが撮った香港映画『恋する惑星』に使用され、90年代という時代に鮮烈な再生を果たした。



音譜アメリカのSSW、アルバート・ハモンド【Albert Hammond】の1973年の大ヒット曲『カルフォルニアの青い空』【It Never Rains In Southern California】

音譜そしてもう1曲、アルバート・ハモンドを。1981年のとても素敵な曲『風のララバイ』【Your World And My World】
音譜ビジュアルは爽やかな感じだけど失恋の歌だよね。


音譜これも少々、寂しくって切ない曲。ギルバート・オサリヴァン【Gilbert O’Sallivan】の、1972年リリースの名曲『アローン・アゲイン』【Alone Again】。そう。当時、センシティヴな彼に対する関心は日ごとに高まっていたのだ。

音譜『アローン・アゲイン』に続いたヒット曲『クレア』【Clair】


音譜キャロル・キング【Carole King】の1971年の傑作アルバム『つづれ織り』【Tapestry】からシングル・カットされた名曲『It's Too Late』


音譜キャロル・キングはもともと60年代初め頃からずっと旦那さんのジェリー・ゴフィンとのソング・ライター・チームで数多くのヒット曲を連発している。その中の代表曲のひとつ。1967年にアレサ・フランクリン【Aretha Franklin】が歌った『ナチュラル・ウーマン』【A Natural Woman】


音譜バッファロー・スプリングフィールドのメンバーであり、スーパー・グループ、CS&Nのひとりでもあった、スティーヴン・スティルス【Stephen Stills】の1970年のファースト・ソロ・アルバムから、輝くような眩しい曲『Love The One You're With』を。


 

音譜爽やかなハーモニーを聴かせてくれるフォーキーなグループ、アメリカ【AMERICA】の1972年のセカンド・アルバム『Homecoming』からシングル・カットされた『ヴェンチュラ・ハイウェイ』『Ventura Highway』


音譜ローラ・ニーロ【Laura Nyro】の1966年リリースのデビュー・アルバム『More Than A New Discovery』に収められた名曲『Wedding Bell Blues』


音譜ジャクソン5に便乗したかのようなファミリー・グループ、ジャクソン・シスターズ【Jackson Sisters】の1976年の傑作アルバムから。爆発的なアゲアゲ感いっぱいの、奇跡のPOP SONG、その名も『ミラクルズ』【Miracles】

 


音譜スライ・ストーン率いるスライ&ザ・ファミリー・ストーン【Sly&The Familystone】の、1971年の傑作アルバム『暴動』【There's a Riot Goin' Onからシングル・カットされた『Family Affair』を。怒涛のFunkの渦の中にPOPが散りばめられている。

音譜同じくスライ&ザ・ファミリーストーン『暴動』からのシングル・カットされた『ラニング・アウェイ』【Running Away】


音譜ジョン・レノン【John Lenon】が1974年にリリースしたアルバム『心の壁、愛の橋』【Walls And Bridges】からシングル・カットされた、とてもPOPな一曲『真夜中を突っ走れ』【Whatever Gets You Thru The Night】。因みにこのアルバムが制作されたのは、ジョンとヨーコが別居を始めた時、ヨーコの強い希望によって(「あなた彼氏がいないんだったらしばらくの間、ジョンと付き合ってちょうだい」みたいに)二人の個人秘書を務めていた中国系アメリカ人女性メイ・パンとジョンが一緒に暮らしていた(どんな希望やねーんおーっ!)、「失われた週末」【The Lost Weekend】と呼ばれた時期に当たる。まぁ、ジョンにしてみればしばらくの間、ヨーコの呪縛から逃れて公然と浮気ができた訳だし、毎夜、友人のハリー・ニルソンと飲み歩いては自由気ままな時間を過ごせたし、その分、ジョンのクリエイションが高まりアルバムを量産し、デヴィッド・ボウイミック・ジャガーらとも積極的にコラボレートしたり。因みの因みにメイ・パンはその後、ボウイやT-REXのアルバムをプロデュースしたトニー・ヴィスコンティと結婚し、ビジネスでも成功を納めている。


音譜そのハリー・ニルソン【Harry Nilsson】が1972年に歌ったヒット曲『ウィザウト・ユー』【Without You】(ウィザウトって表記されてるし🤭クスッ)。因みにこの曲はイギリスのバンド、バッドフィンガーの曲のカヴァー。



音譜それじゃぁ。当時、ビートルズが設立した「Apple Records」からデビューしたビートルズ・ライクなバンド、バッドフィンガー【Badfinger】の1970年のヒット曲『嵐の恋』【No Matter What】を。因みにバンド名はビートルズの古くからの友人であり、「Apple Records」を含む企業体「アップル・コア」の代表だったニール・アスピノールが命名した。


音譜イギリスのバンド、スタックリッジ【Stackridge】の、1974年リリースのアルバム『山高帽の男』【The Man In The Bowler Hat】に収められていたFundamentally Yours』も、とても華やかなPOP SONG。

 

音譜プログレッシブ・ロックカンタベリー派に属する(のかな?)ニール【Neil】の、1984年リリースのアルバム『Neils Heavy Concept Album』から。プロデュースはデイヴ・スチュアート。曲はシングル・カットされたトラフィックのカヴァー『Hole In My Shoe』ゴングケヴィン・エアーズキャラヴァンなどのカンタベリー派の音楽には『Strawberry Fields Forever』なPOP感覚が根底に流れている。


音譜ポール・マッカートニーのソング・ライティングの影響を受けたひとり、ヴァン・デューレン【Van Duren】のアルバム『Are You Serious?』から『Chemical Fire』



音譜イギリスやアメリカではどうだったのかは知らないけど。日本では若い女の子たちに圧倒的な人気があったベイ・シティ・ローラーズ【Bay City Rollers】はとにかマジカルなPOP SONGでヒットを連発していた。だけど当時のロック好きな男子はほぼ彼らを無視していたような気がする。まぁ、僕自身は。隠れてベイ・シティを聴いてたけどね😛。


彼らを一躍、有名にした1974年リリースの『サタデー・ナイト』【Saturday】。なかなかどーして、完成度の高いPOP SONGだと思うな。「Saturday」のスペルをひとつずつ区切って歌にした斬新さ。この曲がなければキャンディーズ『年下の男の子』「L.O.V.E 投げキッス」という歌詞は生まれなかったかも(知らんけどぶー)。まぁ、それなら「K.I.S.S」でも「S.E.X」でも通用しそうだし、何なら「S.U.R.R.E.A.L.I.S.M.E 超現実主義ぃ~🎵」(長いっておーっ!)って歌われる曲があってもいいんじゃないかと思ったりうーんシーン

音譜同じくベイ・シティの1975年のヒット曲『バイ・バイ・ベイビー』【Bye Bye Baby】


音譜イアン・ミッチェル脱退後のベイ・シティに短期間だけど参加し高い人気があったパット・マッグリンが結成したパット・マッグリンズ・スコッティーズ【Pat McGlynn’s Scotties】の1977年のヒット曲『あの娘はアイドル』【She’d Rather Be With Me】。正直に言うけど、この曲も隠れてよく聴いていた。


音譜ベイ・シティ人気に便乗した(失礼!)バスター【Buster】の1976年のヒット曲『すてきなサンデー』【Sunday】もなかなかのPOP SONGだった。


音譜アメリカのソング・ライター・チーム、ピーター・アンダース&ヴィンセント・ポンシアが1967年に手掛けたジ・イノセンス【The Innocence】のアルバムから、(山下達郎お墨付きの)マジカルなPOP SONG『A Lifetime Lovin’ You』を。


音譜フィフス・ディメインション【Fifth Demain】が1969年にリリースしたロック・ミュージカル『ヘアー』のための曲『輝く星座~アクエリアス』【Aquarius/Let The Sunshine In 】ボーンズ・ハウのプロデュースにより全米1位に輝いたPOP SONG。


音譜パット・アップトンのボーカルが魅力的なスパイラル・ステアケース【Spiral Starecase】の1969年のアルバム『More Today Than Yesterday』からタイトル曲を。


音譜ビートルズと入れ替わるように現れた最高のポップスター、エルトン・ジョン【Elton John】。彼はまるで魔法のようにたくさんの優れた「POP SONG」を書いたけど、僕自身は兄貴のレコード棚にあった、この地味なシングル盤が大好きだった。1971年にルイス・ギルバートショーン・バリーと(とっても可愛かった)アニセー・アルヴィナ主演で撮った映画『フレンズ~ポールとミシェル』【Friends】の主題歌。


音譜ボブ・ディランの歴史的名曲『ライク・ア・ローリング・ストーン』の録音現場にたまたま居合わせ、飛び入りでオルガン奏者として参加し、世界的に注目を浴びた後にブラッド・スウェット&ティアーズを結成したアル・クーパー【Al Kooper】の1973年のソロ・アルバム『赤心の歌』【Naked Songs】からキラキラした眩い曲『Jolie』で締め括ることに。

 

気が付けば。いつもの通り、書いている内に思考や嗜好の迷路に迷い込むことに。「POP SONG」「POP SONGじゃないもの」との違いがよく分からなくなってしまった笑い泣き。例えば今回の最後はボブ・ディラン『Like A Lolling Stone』にしようかと思ったけど、「POP SONG」と言い切ってしまうには何だか座りが悪くてUPしなかった。


まぁ、もともと「POP SONG」に定義なんて何もないんだから悩んだって仕方がない。(それが「アート」だと言えばそれが「アート」だと言ったマルセル・デュシャンの言葉を借りて)僕自身が「POP SONG」だって思えばそれが「POP SONG」。それでいいのかなうーん



それじゃぁ、また

アデュー・ロマンティークニコ