あるとき、寺沢広高の使者が、長政を訪ねて来た。
「ときに、広高殿のご子息は何か好んでおられるのか。」
「は、乗馬と鷹狩を好まれています。ときどき刀や脇差の目利きもなさいます。」
「ほう、目利きか。刀は武士にとって重要なものだ。
刀はその利と鈍を選んで、
よく切れるものを使うとよい。
作りの善し悪しだけでは決まらないものだ。
・・・しかし、大将ならば人の目利きの方が重要だ。
大将が人を知らないと才人を退け、悪人を用いて国を滅ぼすことにもなる。
見る目もないのに、人を用いれば必ず失敗するものだ。
本人には刀の目利きなどは専門家に任せて、
人を見る目を養うよう伝えたまえ。」
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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