黒田如水は、ある時、使い古した皮の足袋を家臣に与えた。
「水でよく洗い、生干しにして酒をかける。
そして足にはめて干すんだ。そうすれば、まだまだ使えるぞ。」
「はあ…じゃあ頂きます」
「五文な」
「えっ!?」
後日、如水はその家臣が新品のような足袋をはいているのを見た。
「おい、その足袋ってこの前あげたやつか?まるで新品だな。」
「「買った」足袋です。殿の仰る通りにすると新品のようになりました。」
「ふ~ん…。なあ、それ返せ」
「は?嫌ですよ。酒とかわざわざ買ったんですよ。五十文なら売ります。」
「五十文!?五文で売ったんだぞ!」
「しかし近頃は物価が高いですからなあ。」
「あっそ。じゃあいいよ、そんなもんいらねーし。」
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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