南条の茶壷☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

慶長6年(1601)5月、徳川家康が伏見城において、

関が原の戦いで戦功のあった大名を招き、宴会を開いた。
 

宴席後に設けた茶会の席で家康は、

かたわらに西軍諸将より没収した名物茶壷の数々を並べ、

出席者のひとり黒田如水に呼びかけた。

「他人の手を借りず、一人で持って行くことが出来れば、どれでも一つ差し上げよう!」
摂津有岡城での幽閉以来、歩行も不自由という如水に対する、天下人の戯れである。

「では、遠慮なく。」
ところが如水は、家康の言葉を聞くが早いか、すぐに立ち上がり、

居並ぶ名物茶壷の中でもひときわ大きな『南条の茶壷』を抱えると、

スタスタと足が不自由とは思えぬ身ごなしで帰ってしまった。

これにはさすがの家康も、出席していた諸大名も、

開いた口が塞がらなかったという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

こちらもよろしく

→ 播磨灘物語・異聞、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!