関ヶ原の後、黒田長政は筑前国を拝領した。
この時、長政は家中の功のあった者達にも加増をしたが、
毛屋主水武久一人は、関ヶ原の武功者の中で加増がなかった。
これを知った黒田如水は長政に尋ねた。
「どうして毛屋に領地の加増がないのか?」
「先年、私が彼に加増をすると言った時、
彼はそれを嫌って受けず、私は面目を失いました。
この為、今回も施さないのです。」
如水はこれを聞くと、
「往昔の事を今に至ってまで心底に残してはいけない。
武功が優れているのなら、躊躇なく恩禄を与えるべきである。」
このように言われたため、長政もそれを了承し、
主水に四百石を加増し、本領と合わせて七百石を領させ、
さらに足軽30人を預けた。
黒田長政、如水に、
「昔のことをウジウジ気にしてるんじゃない。」と窘められる、というお話。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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