と、ここで桐若は思った☆ | げむおた街道をゆく

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黒田官兵衛の家臣である秦桐若は、敵の首を三十三取り、

首供養を果たしたほどの勇者であった。
 

天正10年山崎合戦の時、大いに傷を受けたが、ともかくも治療し、

創口は既に癒えたものの、未だ全快には至らなかったため、

翌年正月、摂津国有馬の温泉へ行き湯治をしたところ、
幾日もたたない内に体調も平癒し、創口も完全に癒えた。

と、ここで桐若は思った。
「この有馬の湯の妙なる事、入浴しただけでも傷を癒やすことが出来た。
であればこの湯を飲めば、その功より効くのではないか?」

そして柄杓に三杯ほど飲んでみたところ、たちまち腹痛を起こし、

激しい下痢に襲われ、
これによって再び創口も開き、身体衰弱して死んだ。

享年四十二歳であった。

官兵衛はこれを聞き、

「私の利剣が折れてしまったようだ。」

と、甚だ惜しみ悲しんだという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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