只今の退き様☆ | げむおた街道をゆく

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ある時、織田信長公が、

「誰にても参れ。」

と仰せになったため、近習の小姓一人参って仰せを待った。
 

しかし、「もはやよし。」と仰せに成り、小姓は座より罷り出た。
 

そして再び、前と同じように人を呼ばれたため、

他の小姓が参ったが、これもしばし有って、

「いらず。」と仰せに成ったため、罷り出た。

また、やや有って、

「誰ぞ参れ。」とあり、また他の人が参った。

暫く有って、これも事無くて罷り出でる所に、座の側に塵が有るのを、

取って罷り出た所に、信長公が「待て。」と仰せあり、

「総じて人は心と気を働かすを以て良しとするものだ。

武辺というものは、かかるのも引くのも、
時の潮時を見るのが合戦の習いである。

其の方の只今の退き様、殊勝である。」

と褒められたという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 第六天魔王・織田信長、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!