果報の者也☆ | げむおた街道をゆく

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織田信長が、将軍・足利義昭を補佐し、帰洛せしめ、

本国である美濃に戻ると、三好三人衆が不意に挙兵し、

将軍の在る六条本圀寺を攻めた。

信長は岐阜城でこれを聞くと同時に、

一騎駆けに上洛し近江の柏原にて馬を倒し、その所の百姓家に入り、
ありあわせの馬に乗って上京し本圀寺に乗り付けた。
 

義昭はこの思いも依らぬ速き着陣に、嬉しさのあまり信長に抱きついたという。

さて信長は湯漬けをさらさらと食すと諸軍に命じた。
「私が早速に上京したため、三好の軍勢共は肝をつぶした体である!
その臆病心が冷めぬ内に討ち取るべし!

その間に我々は、慰めとして歌を作って歌おう。

皆々、ここに付いて歌え。
ただし、その唱う間は各々一所にあって、

膝を組み鑓を膝の上に横たえて持って、
歌を三編歌い、済んだら直ぐに立ち上がり、

大音上げて敵を突き崩すように!」

そう下知した。この時の歌に、
『織田上総は果報の者也 一番槍を突くほどに しかも主上の御前を。』
と歌い、その後槍を入れて敵を討ち取って帰陣した。

その後、将軍の御所が新たに建築された頃の正月、

御所の門前の石畳の上に、欠けた蛤の貝殻が9つ並べて置いてあった。

一体どういう者が何のつもりでこんな事をしたのか、知る者は居なかったが、
信長はこれを聞くと
「これは、上様の心うつけて、位が欠けていると言うことを、

京童が笑ってこんな事をしたのだろう。」
と宣ったとか。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 第六天魔王・織田信長、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!