ネコとニワトリを持って興福寺に☆ | げむおた街道をゆく

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天正五年(1577)、五月の事である。
 

奈良の町中の人々が一斉に、自分たちの飼っている、
ネコとニワトリを持って興福寺に押し寄せた。

「お願いです!どうかこの猫と鶏を匿って下さい!」

興福寺の僧たちは驚いた。「一体、ネコとニワトリがどうしたというのだ!?」
「私たちのネコやニワトリが、取り上げられてしまうのです!」
「誰に?」

「織田信長に!!」

話を聞くとこう。

安土にいる織田信長が配下の者に、

奈良中のネコとニワトリを集めてくるよう、命じたというのだ。
「それも鷹狩りの大好きな信長が、自分の鷹の餌にするためだというのです!」
「鷹の餌のため?」
「そうです!」
「わざわざ奈良で?」
「そうなんです!」
「それは、どうかなあ…?」
「なんですか!?ウチの猫と鶏が鷹の餌にされてもかまわないと!?」
「いやその…」

この事さすがに後で、ただの風聞であるとわかったようだが、

それまで興福寺、実際に奈良の町中のネコやニワトリを預かっていたそうだ。

この当時の大和の実質的な支配者と言っても良い興福寺に、

大量のネコとニワトリが匿われ、
それを寺僧たちが一生懸命町世話していたかと思うと、

彼らには悪いが妙にほのぼのしてしまう。
そんなお話。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 第六天魔王・織田信長、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!