信長がある時、近習達を前に、
「わしには天下にも変えがたい大切なものがある。
これが何か当ててみよ。」
と言い出した。
信長の宝物と言えば、
それこそきら星の如くありとあらゆるものがある。
あるいは高名な茶器か、あるいは名馬か、
あるいは白鷹かと上げていったが、
どれも違うと信長は言う。
「馬や鷹ではないが生き物だ。もう一度良く考えてみよ。」
するとそれまで黙っていた小姓の森蘭丸が、
ついと進み出て、答えた。
「もしかして、私でしょうか?」
信長は、蘭丸に向かってニコリと微笑んだ。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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