織田信長の家来に、市橋下総守という者がいた。
さてある時、信長の下に、若狭武田家から使者があった。
この使者はかねてより美男の聞こえが高く、
多くの者が彼を見に行き、
その美丈夫ぶりに感嘆した。
市橋を除いて。
「人は見かけでわかるものではない!」
「オレはあんな外見のいい奴は大嫌いだ!」
そんなコンプレックス丸出しの言葉を吐くと、
何を思ったか使者の部屋へと入っていった。
「お使者殿、ご苦労に存じます。無事ご到着のお祝いのご馳走でござるが…。」
と、いきなり両足をがばと開き、自分の陰嚢をなでなでしながら、
「このくらいの餅を、いかほど食しますか?」と、やった。
使者はぽかんと口を開け、市橋を見つめるばかりであった。
後でこの話を聞いた信長、大爆笑したとの事。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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