すね者☆ | げむおた街道をゆく

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信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

ある時、信長は家臣に向かってこういった。

「わしの言う事なすことに、誰も逆らおうとしないのは、これは面白くない。
少しはずけずけと物を言うすね者でもいれば、ここに連れて来い。」

側近の菅屋長頼と長谷川秀一は、あっちこっち探し回って、

頑固なすね者として有名だと言う、
定一という座頭を見つけ、早速信長の御前に連れて行った。

「そのほうが城下随一のすね者か。遠慮はいらん、早速すねた話など申せ!」

ところが定一はおずおずと、
「すね者などとは出鱈目でございます。

不躾ながらそれは、座頭を間違えたのではないでしょうか?」

信長はがっかりして、
「さては家臣どもがまた、

わしに追従するためそのほうを担ぎ出したかな?」

そうして酒を与えただけで下がらせてしまった。

 

後日、信長からこのことを叱責された
菅屋と長谷川は、定一のところに文句を言いに行った。

「何ゆえ普段のように振舞わなかったのだ!?

俺達が虚言を申したように思われ、すっかり困ったぞ!」

すると定一は呆れたように、
「家臣であるお二人の前ですが、

信長様というのは薄っぺらな大将ですなあ。
すねろと言われてすねるすね者が、

どこの世界におりますか。

今、甲斐の信玄様と争っておられるようですが、

信玄様のほうが懐の大きな大将ですよ?
よくよくお気を付け、

思いがけなく武運の尽きる事のなさいませんように…。」

すね者らしい嫌味を忘れない定一であった。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 第六天魔王・織田信長、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!