天正10年の甲州征伐を終えた織田信長は、富士遊覧の後駿河へと回り、
駿府に到着すると、
そこでは徳川家康が假屋を宜しく立ち置き、一献を進められた。
その頃は卯月の十日あまりであったが、
今川義元が植えさせたという千本の桜も、花はすっかり散り去っており、
信長は、
「植え置きし主の栄えも、このようになってしまったな。」
とつぶやき、
続けて思い浮かんだ一首を詠んだ。
『今川の ながれの末も絶えはてて 千本の桜ちりすぎにけり』
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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