天正5年11月18日、信長公は東山で鷹を使われていたが、
にわかに大雪が降ってきて鷹は風に乗って、
大和国内の方へと飛んで行ってしまった。
御秘蔵の鷹であったから、これを探してあちこちへと尋させた所、
次の日になって、大和国の越智玄蕃と言うものが、この鷹を連れてやってきた。
信長公は、非常に上機嫌で褒美として御服一重、秘蔵のブチの馬を下され、
更に、「望む事があれば言ってみよ。」と仰せられた。
玄蕃は、「年来の所領を闕所とされ失ってしまったのです。」
と事情を申し上げた所、所領を安堵され忝くも朱印状まで与えられた。
禍福は天にありとはこのことであろう。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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