北向き兜☆ | げむおた街道をゆく

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信長が、一向一揆と戦っていた時の事、

一瀬久三郎と言う侍が、信長の兜をうっかり北向きに置いてしまった。

それに気がついた林佐渡守が叱責する。

「何をしておるか!早く向きを直さぬか!」

当時、兜を北向きに置くというのは、とんでもなく不吉なものだったのだ。

あわてて向きを直そうとする久三郎。
が、信長はそれを止めた。

「一揆勢はどこから来るのか解らんのだ!兜の向きなどどうでも良い!」

そう言って、北向きのままにさせておいた。

さて、その日の一揆勢との合戦で、久三郎は一番鑓の武功を挙げた。

信長は久三郎を呼び出しそれを褒めた。

すると久三郎、未だ北向きに置いてある兜を見てから、

「殿のおかげです。」

「今朝の事で、殿は、私の面目を潰さないようにしてくれました。

そのおかげで、気兼ねなく槍働きが出来たのです。」

そう言われて、信長もまた、喜んだと言う。

巷間言われているのとは違い、

信長という大将は、部下に細かい心遣いをする男であった。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 第六天魔王・織田信長、目次

 

 

 

 

 

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