君臣離間の計☆ | げむおた街道をゆく

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信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

織田家と斎藤家が同盟を結び、

その証として信長のもとに濃姫(帰蝶)が嫁入りして、

しばらくした頃の話。

信長は、毎晩濃姫が寝入った時間を見計って寝所を抜け出して、

明け方に戻ってくること、一ヶ月に及んだ。

濃姫は信長が浮気していると思い、恨めしげにこう言った。
「私以外に好きな女性がいるなら正直に言って下さい。

私は少しも妬みませんよ。」

信長は、
「いや浮気ではない。実はわしにある秘密の作戦があるのだ。

そなたには関係ないことだから気にするな。」

とだけ言って作戦の中身を教えず、

また寝所を抜け出す日々がさらに一ヶ月続いた。

濃姫はこれは絶対浮気だと嫉妬に燃え、信長に激しく詰め寄った。
「私以外に好きな女性がいるなら、私を離縁して、

その女性のもとに行って下さい。

夫に愛されないとは実に恨めしく思います。」

信長は優しい口調でこう言った。
「わしとそなたの愛情は深いではないか。されど、秘密は秘密なのだ。

…しかし、そなたを悲しませるのは本意ではないゆえに秘密を打ち明けよう。」

秘密の作戦とは、
信長が美濃の斎藤道三の両家老と内応の手筈を整え、
「両家老が道三を殺すと夜中の2時に火を上げて信長に合図して、

織田軍が一気に美濃に攻め込む。」

という内容で、
信長が毎晩寝所を抜け出していたのは、

合図の火の手が上がったかどうかを確かめるためであった。

信長は濃姫に、
「愛するそなただけに打ち明けたが、絶対秘密だぞ。」

と念押しした。
 

しかし、父・道三が殺されるのを見過ごしにできない濃姫は、

信長の作戦の全てを密書に書いて父に知らせた。

 

そして、娘の密書を見た道三は両家老を処刑した。

信長の、思い通り。

実は、信長はまともに勝負しても勝ち目のない道三の戦力を削ぐために、

「斎藤家の両家老が内通した。」

というウソの作戦を、濃姫から道三に報告するように仕向けたのだ。
さすがのマムシの道三も、ソースが娘なら信じることも計算したのだ。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 第六天魔王・織田信長、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!