火起請(ひぎしょう)☆ | げむおた街道をゆく

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尾張の一色村に左介と言う男がいた。

この男が、知り合いである隣村の甚兵衛の自宅に、
彼が年貢納入のため留守にしている間に、夜盗に入った。
ところが甚兵衛の女房がこれに気がつき、佐介ともみ合いとなり、

左介は逃げていったが、
女房は彼の刀の鞘を取り上げていた。

明朝、女房はそれを証拠に奉行所に届け出た。

左介は引き立てらて来たものの、容疑を否認。
そこで奉行は、

火起請(真赤に焼いた鉄を握らせ、持てるか否かで真偽を判定するもの)を、

行わせることにした。

左介は焼いた手斧を持つと、たちまち放り出した。

これは有罪である。

 

ところが、信長の乳兄弟として、

当時織田家で権勢を誇っていた池田恒興の家来達がこれに介入、

左介を無罪にせよと迫った。
左介は、池田恒興の被官の一人だったのである。

この騒ぎの中に、鷹狩りから戻る途中の信長が行き当たった。

何をしているのかと訳を聞くと、たちまち顔色を変え、
「その火起請はどれほど焼いたのか見せてみよ。」

と言った。
 

奉行の者が同じように焼くと、

信長は、

「わしがこの火起請を成し遂げたら、この左介を成敗する。良いな。」
と、焼いた手斧を握り締めると、そのまま3歩歩いて、柵に置いた。

「確かに見たな?」

そう言うと、たちまち左介を成敗したという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 第六天魔王・織田信長、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!