伊勢の神霊☆ | げむおた街道をゆく

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秀吉の死の10年前というので、天正16年(1588)の事であろうか。

豊臣秀吉が伊勢山田の伊勢神宮から、金子百枚を没収したことがあった。

さて、10年後の慶長3年(1598)、

病に苦しむ秀吉にその枕元に立つ、白装束の人物が見えた。
 

その人物は言う、
『伊勢より取り上げた金子を、早く、早く返すのだ。』

秀吉はその金子の事、全く覚えていなかった。
目覚めてから奉行たちに問いただし、奉行衆は古い帳面を必死になって調べた。
 

この時、石田三成が思い出した。
「そう言えば昔伊勢神宮から、

何かの過怠の罰として金子百枚を召し上げたことがありました!」

これを聞くと秀吉、直ぐに、
「な、ならばその金、急いで伊勢に返してくるのだ!」

こうして10年前に召し上げられた金子百枚は、

奉行衆の手により伊勢神宮の神主やその他の者たちに残らず返却された。

その後秀吉は、
「弱気になると色々と不安になり、あらぬ物なども見てしまうが、

そのなかでも先の伊勢の神霊は特に恐ろしかった。」

と話たそうである。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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