「紀之介に百万の軍勢を任せたい。」
これは大谷吉継に対する、秀吉の評価だが、この話には続きがあった。
この話を聞いた徳川家康は、
「ならば、豊家の軍勢の総大将は刑部殿という事でございましょうか?
某や会津中納言殿では不足という事でしょうか?」
こう尋ねると秀吉はあっさりと言った。
「大老は政治を見る。軍事は刑部が良かろう。」
家康や景勝の面目が立つ上手い答えだった。
所で、大老がそういう事なら毛利輝元や宇喜多秀家も外れることになる。
さらに家康は、伊達政宗の名を出して問うた。
「ならば大崎少将は如何でしょうか?」
この問いに秀吉は、
「紀之介は天才じゃ。大崎少将も軍事の天才だが、己が身を庇う。
紀之介は大義の為に己を捨てられる。怖いのは刑部だ。」
と答えた。
家康は納得しそれ以上何も言わなかったという。
以上、大谷吉継に対する秀吉の評価に関する逸話でした。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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