ある時、秀吉は、諸候が経済的に疲弊している事を聞いた。
「それでは身代が持たないではないか。
よろしい、では普請を申し付けてやろう。」
と、言い出した。
秀吉の考えはこうだ。
例えば200人ほどの人数でやる規模の普請の見積もりを、
倍の400人かかるとして、
その大名が国許から人を出して普請の工事完成までの期間の費用を渡してやる。
そうすれば必然的に費用は余るから、
大名はこれを秀吉からの援助だと考える。
又、大名の方も、こっちが400人かかるつもりの普請を、
200人ほどで成し遂げれば、その大名の手柄になるだろう。
「わしは大名に恩を売つつ普請も成すことができ、
大名も世間に評判をとりつつ金を儲けられる。
誰にとってもいい事尽くめであろう。」
不況対策の公共事業みたいな発想の、秀吉の大名援助方法。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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