松茸狩り☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

秀吉が天下を取ってからのこと。
 

京都の東山に松茸がたくさん生えていると聞き、
「松茸狩りをして遊ぼうではないか。」

と言い出した。

家臣たちが下見に行くと、すでに京の人々がほとんど採ってしまい、

僅かしか残っていない。

そこで、彼らは、あちこちから松茸を取り寄せて、
こっそりと山に植えることにした。
夜を徹して作業を続け、何とか間に合わせたのである。

秀吉は、お祭り騒ぎのようにして、やってきた。
見ると、そこらじゅうが松茸だらけ。
「これは見事。」

と、非常に機嫌がよい。

子供のように、はしゃぎながら松茸を採っていた。

すると、傍にいた女性が、秀吉の袖を引いて、
「これは自然に生えたものではありません。

誰かが、植えたものでございます。

殿下にはそれがお分かりになりませんか。」
と、小賢しく言った。

秀吉は、手を振って、さえぎり、
「こら、言うな。俺たちを喜ばせようとして、皆がやったことだ。
これだけ植えるには、相当の苦労があったはずじゃ。

その気持ちを、ありがたく受け取ってやらねばならぬ。」

とニッコリ笑ったと言う。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

こちらもよろしく

→ 太閤記・異聞、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!