建仁寺の雄長老の小者に、鳥刺しの名人がいた。
この男の事が豊臣秀吉の耳に入り、その鳥刺しの技を見たいと、
内々の御沙汰があった。
しかし長老は秀吉に、
「真に有り難い仰せではありますが、あの者は、名もただ松若というだけの、
身分も無い者であり、このまま殿下にお目通りさせるのはいかがかと存じます。」
「ふむ…、では伯耆とでも名乗らせると良かろう。」
「伯耆!?それでは余りにも身分不相応で、恐れ多いことでございます。」
「なに大事無い。柄さし箒よ。」
太閤殿下のちょっとした頓知話。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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